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国内テニス

【伊達公子】日本女子テニス選手は現役中にほとんど結婚しない。日本だと難しいのが現実<SMASH>

伊達公子

2022.03.18

海外の女子選手の旦那さんはツアーに帯同していることが多いと言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

海外の女子選手の旦那さんはツアーに帯同していることが多いと言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 テニスキャリアが長くなってきたこともあり、海外の女子テニス選手は、現役中に結婚することがよくあります。だからこそ、出産後に復帰するという話にもなるのですが、日本の女子選手ではほとんどいません。現役中の結婚は“あり”だと思いますが、日本だとまだまだ受け入れられるには時間が必要なのかもしれません。

 結婚したら、家事をある程度女性がするという固定概念がまだ強いのが現実でしょう。自分のことは自分でするから、ツアーに行っていい、1年の半分近くをツアーに出てしまう点や、プライオリティをテニスに置く生活などの理解が最も必要です。そこがクリアになるなら現役中の結婚も可能です。

 加えて、本人同士だけでなく両方の家族にも理解が求められます。結婚での変化、お互いが何を求め、どうありたいか先の絵が見えていないと難しいかもしれません。遠征は長いだけでなく場所もとにかく遠いことが多いですから(笑)。
 
 海外の女子テニス選手の場合、旦那さんや彼氏がツアーに帯同するケースが多いです。彼らは選手のサポート役が仕事だったり、パソコン上でできる仕事であったり、何かしらで自力があるという場合もあります。多いのは、サポート役として帯同していることでしょうか。

 彼らに奥さんに付いて遠征を回っているという感覚はないと思います。「付いていく」という言葉がまず違いますね。チームの一員なんです。自分のサポートがあったから奥さんが成功できているという感覚なのだと思います。

 日本でもキャリアを持つ女性が増えてきましたし、女性がある程度のポジションで活躍する場合も多くなっています。多様性が求められる今、活躍する女性が当たり前になってくると、男性や周りの考え方も変わってくるでしょう。その内、日本女子選手も現役中に結婚してサポート役としてツアーに帯同している旦那さんがいるという状況になるかもしれません。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

【PHOTO】世界で戦う日本人女子テニスプレーヤーたち!

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