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海外テニス

ジョコビッチの全米欠場危機にマッケンローが苦言!「我々は彼を出させる方法を見つけなければならない」<SMASH>

中村光佑

2022.07.22

新型コロナワクチン未接種のため米入国が認められないジョコビッチ(左)に対して、テニス界のレジェンド、マッケンロー(右)が異議を唱えた。(C)Getty Images

新型コロナワクチン未接種のため米入国が認められないジョコビッチ(左)に対して、テニス界のレジェンド、マッケンロー(右)が異議を唱えた。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスのワクチン接種を完了していないことから、接種義務が課されている「全米オープン」(8月29日~9月11日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)の欠場が見込まれている男子元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)。

 ところが現在は苦境に立たされる35歳のレジェンドへ向け、多くの人々から「アメリカ入国と全米の出場を認めてあげてほしい」といった同情の声が上がっている。

 新型コロナの感染拡大防止プロトコルは国や地域によってその内容が異なるが、中でもアメリカはかねてから厳しい措置を講じてきたことで知られている。先日そのプロトコルに一部変更が加わったものの、アスリートに限らずワクチン未接種者の米入国は依然として認められていない。

 そのためジョコビッチは過去3度の優勝を誇る全米の参戦はおろか、アメリカに足を踏み入れることさえも許されないのだ。

 一方で「不法移民の入国は許すのになぜジョコビッチの入国は許されないのか?」とSNSに投稿した米テキサス上院議員ドリュー・スプリンガー氏のように、アメリカ政府の過剰な感染拡大防止プロトコルを批判する声も多いのが事実だ。

 四大大会で7度の優勝を誇る男子テニス界のレジェンド、ジョン・マッケンロー氏(アメリカ/63歳)もそう考えるうちの1人である。
 
 テニス系海外メディア『Tennis365』のインタビューに応じた同氏は、身体を気遣うためにワクチン接種を拒否し続けるジョコビッチを「その決断自体は賛成できないが、尊重はする。彼は世界で最も健康な選手の一人で、身体に入れるものはすべて注意深く観察している」と擁護。

「今我々は、彼が自分で選択していることによって全米でプレーできないと言っている。もういいのではないか。彼はすでに同じ理由でオーストラリアから強制送還されたのに、また同じような状況になっている」ともコメントした。

 さらにジョコビッチの全米欠場が濃厚となっている現状を「クレイジーだ」と批判した上で、「我々はノバクを出場させる方法を見つけなければならない。彼が参加しないなんてことがあっていいのか? 彼はウインブルドンで優勝したばかりだし、偉大なチャンピオンなのだから、全米には出るべきだ」と主張。

 最後には「誰かがこの状況を解決する方法を見つけてくれることを望んでいる」と述べ、インタビューを締めくくった。

 だがワクチン未接種者に対する厳格な入国制限措置は、国や政府が主導する形で講じているものだ。現段階では全米を主催するUSTA(全米テニス協会)も「全米オープン自体は選手に対してワクチン接種を義務づけてはいないが、未接種の非米国人の入国に関しては、米国政府の立場を尊重する」と強調している。

文●中村光佑

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