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海外テニス

【伊達公子】ウインブルドン準優勝のジャバーの多彩さが女子テニスを面白くする<SMASH>

伊達公子

2022.07.29

元1位のバーティーと比較して「ジャバーはもっと天才的な技」と評価する伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

元1位のバーティーと比較して「ジャバーはもっと天才的な技」と評価する伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 ウインブルドン決勝では惜しくも敗れてしまったオンス・ジャバーですが、面白い存在が力を付けて上がってきなと感じています。

 バーティーが引退して、パワーだけでなく多彩なプレーができる選手がいなくなり、女子テニスのプレーが単調にならないかと危惧していたところでした。優勝したリバキナのようなビッグサーバーも登場し、ジャバーのような特徴のあるプレーヤーがいると女子テニスは面白くなると思います。

 色々なことができる点はバーティーと似ていますが、全然違うプレースタイルです。バーティーもスライスやネットプレーを使いますが、ジャバーはもっと天才的な技として使いこなし、それがプレーの主軸になっています。

 27歳のジャバーですが、数年前と比較すると身体もフィットしてきて動けるようになっていますし、スピードも出てきました。色々なショットが打てるのは以前からでしたが、そこにストロークの安定が加わり、世界ランキング2位まで上がってきました。現在は5位ですが、実力を付けてきているので、当分トップグループにいるでしょう。
 
 ウインブルドン決勝では、油断したわけではないと思いますが、大きな獲物を逃した結果になってしまいました。ただ、どのサーフェスにも対応できる選手なので、今後も十分にグランドスラム優勝のチャンスはあると思います。

 芝でリベンジしてほしい気持ちもありますが、少し遅めのサーフェスの方が向いているでしょう。遅めのハードコートやクレーの方が、彼女の得意なスライスやドロップショットからネットへというプレースタイルが生きてきます。

 現在ナンバー1のシフィオンテクはストローク主体なので、ジャバーとは対照的です。タイプの違う選手同士の戦いの方が見ていて面白いですし、今後の女子テニスを牽引する1人になってほしいと期待しています。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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