海外テニス

「今回のドローは最悪だった」悪童キリオスが1回戦でコキナキスとの親友対決を制する<SMASH>

中村光佑

2022.08.30

全米オープン1回戦で親友対決となったキリオス(左)とコキナキス(右)。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」(8月29日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)は現地8月29日に男子シングルス1回戦が行なわれ、世界25位のニック・キリオス(27歳)と同70位のタナシ・コキナキス(26歳)による注目のオーストラリア勢対決が実現。キリオスが6-3、6-4、7-6(4)のストレートで勝利し、2回戦へ駒を進めた。

 互いを「ブラザー」と呼び合い、8歳、9歳の頃から友情を育んできたキリオスとコキナキス。1歳差の2人はダブルスを組んで大会に出場することも多く、今年1月の全豪オープン男子ダブルスでは地元選手ペアとして"ウッディーズ"(トッド・ウッドブリッジ/マーク・ウッドフォード)以来となる約25年ぶりの優勝を成し遂げた。

 一方でキリオスとコキナキスはシングルスでの対戦経験がまだなく、親友対決となった今大会が初の顔合わせ。センターコートのナイトセッション第2試合に組まれたこの日の1回戦は立ち上がりから拮抗した展開が続くも、キリオスが第7ゲームから3ゲームを連取して第1セットを奪取。第2セットも第1ゲームでいきなりブレークに成功し、そのリードを守り切って早くも2セットアップとする。

 迎えた第3セットは再び両者のサービスキープが続き、タイブレークへと突入。4-4から値千金のミニブレークを果たしたキリオスが粘るコキナキスを振り切った。
 
 かけがえのない親友との初戦を突破したキリオス。だが試合中は終始複雑な思いを抱きながらプレーしていたという。オンコートインタビューでは「第1、2セットはいいプレーができた」としつつも、「俺たちは対戦したくないような仲だから、今回のドローは最悪だったよ。今日は自分が重要なポイントでうまくやれたけど、シングルスでまた試合をしたいとは思わない」と率直に話した。

 一方、キリオスは今大会でも「敬意を抱いている」コキナキスとのペアでダブルスに出場することになっている。それについては「また彼とダブルスで一緒にコートに立てることはうれしい」と喜びを明かした。

 勝利したキリオスは2回戦で世界50位のベンジャミン・ボンジ(フランス)と対戦する。7月のウインブルドンで準優勝という結果を出した後も安定したプレーを続けているだけに、今大会も天賦の才能を持つキリオスの上位進出を大いに期待したいところだ。

文●中村光佑

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