現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」の男子シングルス準々決勝で敗退した世界ランク25位のニック・キリオス(オーストラリア)が、試合後の会見で「胸が張り裂けそうな想いだ」と無念の心境を明かした。
今年7月のウインブルドンでグランドスラム初の決勝進出を果たしたキリオスは、今大会も持ち前のポテンシャルを発揮して勝ち上がり、4回戦ではディフェンディングチャンピオンのダニール・メドベージェフ(ロシア/1位)を撃破。全米では自身初となるベスト8に駒を進めた。
試合後のオンコートインタビューでは自信に満ちた様子で「ここまで来たら優勝を目指したい」と意気込みを語っていた。しかし、そんな彼の四大大会初優勝の夢は現地時間9月6日の準々決勝で対戦したカレン・ハチャノフ(ロシア/31位)に打ち砕かれた。
ハチャノフとの対戦成績は1勝1敗と互角で、過去2戦ともフルセットの接戦を強いられていた。この日も序盤から一進一退の攻防が続き、互いに2セットずつを取り合う白熱の展開に。重要な局面でポイントを取れなかったキリオスが3時間39分にも及ぶ激戦の末に5-7、6-4、5-7、7-6(3)、4-6で敗れた。
試合終了後には怒りのあまり2本のラケットをコートに激しく叩きつけて破壊したキリオス。会見では「カレンはファイターであり、戦士でもある。今日の彼は本当に良いプレーをしていたと思う。重要なポイントでも彼はうまくプレーしていた。彼はおそらく今大会で対戦した中で最高のサービスを打っていた」と勝者のハチャノフを称賛しつつ、「俺は明らかに打ちのめされている。クソみたいな気分だ。多くの人を失望させたと思っている」とうつむき加減に言葉を吐き捨てた。
キリオスは10月に東京・有明で開催される男子テニスツアー「楽天・ジャパン・オープン・テニス2022」(10月3日~9日/ハードコート/ATP500)への出場を予定している。
ところが敗戦のショックがよほど大きかったのか、今後のスケジュールについてキリオスは「東京ではプレーすると思うが、まだわからない。グランドスラムで成功を収めているから、正直他の大会はどうでもいいという感じだ。試合に出ようが出まいがどうでもいい」と発言。さらにこう続けた。
「グランドスラムでは勝つか負けるかしかなく、感覚が良いとか悪いとか、4セットで負けたとか、ベストマッチを戦ったとか、そんなことはみんな気にしない。負けたら終わり。それだけのことだ。勝つか負けるか、それしか人々の記憶に残らない。他の多くの大会は本当に時間の無駄だと思う。グランドスラムに出場すればいい。1月の全豪オープンでまた一からやり直しになった気分だ」
ガールフレンドやチームの支えを背に、今季は一皮も二皮も剥けた姿を見せてきたキリオス。だが今は心身ともに疲弊しきっているのだろう。1度しっかりとリフレッシュしてほしいものだ。
文●中村光佑
【PHOTO】キリオスはじめ全米オープン2022で熱戦を繰り広げる男子選手たち
今年7月のウインブルドンでグランドスラム初の決勝進出を果たしたキリオスは、今大会も持ち前のポテンシャルを発揮して勝ち上がり、4回戦ではディフェンディングチャンピオンのダニール・メドベージェフ(ロシア/1位)を撃破。全米では自身初となるベスト8に駒を進めた。
試合後のオンコートインタビューでは自信に満ちた様子で「ここまで来たら優勝を目指したい」と意気込みを語っていた。しかし、そんな彼の四大大会初優勝の夢は現地時間9月6日の準々決勝で対戦したカレン・ハチャノフ(ロシア/31位)に打ち砕かれた。
ハチャノフとの対戦成績は1勝1敗と互角で、過去2戦ともフルセットの接戦を強いられていた。この日も序盤から一進一退の攻防が続き、互いに2セットずつを取り合う白熱の展開に。重要な局面でポイントを取れなかったキリオスが3時間39分にも及ぶ激戦の末に5-7、6-4、5-7、7-6(3)、4-6で敗れた。
試合終了後には怒りのあまり2本のラケットをコートに激しく叩きつけて破壊したキリオス。会見では「カレンはファイターであり、戦士でもある。今日の彼は本当に良いプレーをしていたと思う。重要なポイントでも彼はうまくプレーしていた。彼はおそらく今大会で対戦した中で最高のサービスを打っていた」と勝者のハチャノフを称賛しつつ、「俺は明らかに打ちのめされている。クソみたいな気分だ。多くの人を失望させたと思っている」とうつむき加減に言葉を吐き捨てた。
キリオスは10月に東京・有明で開催される男子テニスツアー「楽天・ジャパン・オープン・テニス2022」(10月3日~9日/ハードコート/ATP500)への出場を予定している。
ところが敗戦のショックがよほど大きかったのか、今後のスケジュールについてキリオスは「東京ではプレーすると思うが、まだわからない。グランドスラムで成功を収めているから、正直他の大会はどうでもいいという感じだ。試合に出ようが出まいがどうでもいい」と発言。さらにこう続けた。
「グランドスラムでは勝つか負けるかしかなく、感覚が良いとか悪いとか、4セットで負けたとか、ベストマッチを戦ったとか、そんなことはみんな気にしない。負けたら終わり。それだけのことだ。勝つか負けるか、それしか人々の記憶に残らない。他の多くの大会は本当に時間の無駄だと思う。グランドスラムに出場すればいい。1月の全豪オープンでまた一からやり直しになった気分だ」
ガールフレンドやチームの支えを背に、今季は一皮も二皮も剥けた姿を見せてきたキリオス。だが今は心身ともに疲弊しきっているのだろう。1度しっかりとリフレッシュしてほしいものだ。
文●中村光佑
【PHOTO】キリオスはじめ全米オープン2022で熱戦を繰り広げる男子選手たち