女子テニス界に衝撃が走った。テニスの不正を監視する団体「ITIA」（国際テニス・インテグリティー・エージェンシー）は10月21日、元世界女王のシモナ・ハレップ（ルーマニア／現世界ランキング９位）のドーピング違反を確認し、暫定的な出場停止処分を科すと発表した。

　ITIAによると、今年８月の全米オープンでハレップから採取した検体を検査したところ、２つのサンプルのうち１つから、世界アンチ・ドーピング機構（WADA）禁止リストに記載されている「ロキサデュスタット」を検出。ハレップの要求によりもう１つのサンプルも検査したところ、同様の所見が確認されたため、強制的な暫定出場停止処分が下されたという。

　これに対しハレップは自身のSNSで反論を述べている。陽性反応が出たことについて「私の人生で最大のショックでした」としたうえで、「私のキャリアにおいて、不正行為などということは一度も考えたことがありません」と強く反発。真相の究明を訴えている。
  「このような不公平な状況に直面し、私は完全に混乱し、裏切られたと感じています。私は、禁止薬物を故意に摂取したことがないことを証明するために最後まで戦い、遅かれ早かれ真実が明らかになると信じています」

　ハレップは「私の人生で最も困難な試合が始まる。真実のための戦いです」として、徹底的に疑惑を晴らす構えだ。

　今シーズンのハレップは一時の不調を脱し、27位まで落ちたランキングを６位まで戻すなど、31歳にして見事な復活を遂げた。全米オープン後、以前から呼吸しづらかったという鼻の手術を受け、シーズン終了を発表していた。

　果たしてハレップの訴えは認められるのか？ このまま正式な出場停止処分となれば、年齢的にも解除後の復帰は簡単ではないだろう。今後の動向が注目される。

構成●スマッシュ編集部

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