テニスの日本チャンピオンを決める「大正製薬リポビタン 全日本テニス選手権97th」（10月22日～30日／有明コロシアムおよび有明インドアコート）。10月27日には男女シングルス準々決勝が行なわれた。

　男子は２試合、女子は４試合を実施。男子第１シードの今井慎太郎は、コロシアムの第１試合に登場し、早稲田大学の後輩である白石光を６－４、６－０のストレートで下して準決勝進出を決めた。

　昨日の試合ではストレートで勝利しているものの、「アグレッシブなプレーが出せなかった」と言う今井は、試合後に練習をして調整し、今日の試合に臨んだ。

「相手もしぶとくやってきてギリギリな状態になりましたが、なんとか逃げ切ることができました」というファーストセットを乗り越えると、セカンドは終始自分のペースで進めることができ、相手に１ゲームも与えずに試合を閉めた。

　昨日の反省を生かし、「守るとこは守り、攻めるところは攻めて、メリハリができたのは良かった」と試合を振り返る。しかし、「攻められるところを一歩引いてしまった部分があったので、もっと状況判断をよくして、質を上げていきたい」と、満足はしていない様子。「明日は試合がないので、しっかり練習して明後日の試合に臨みたいと思います」。
  　今年の前半は度重なるケガで大会に出場できていなかった今井。今は痛みを感じずにプレーできているものの、「トレーニングや身体作りも見直し、しっかり身体を鍛えることを今まで以上に心掛けていきたい」と言う。

　大会序盤は居心地悪そうにしていた第１シードというポジションについても、「胸を張ってやっていかないといけないと思いましたし、シードは気にせず、一戦一戦全力でやるだけだと思っています」と堂々と語っていた。

　準決勝の相手は、何度も対戦したことがある片山翔。「自分のプレーを出し切るのが全てだと思います」と迷いはない。

◆男子シングルス準々決勝の結果（10月27日）
今井慎太郎（イカイ）①　6-4 6-0 白石光（早稲田大学）⑩
片山翔（伊予銀行）⑧　 6-4 6-4 藤原智也（慶應義塾大学）[Q]
※丸数字はシード、[Q]は予選勝者、 

取材・文●赤松恵珠子（スマッシュ編集部）

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