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【テニスルール虎の巻】相手側の「フットフォールト」を指摘できるのか?<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.12.02

明らかに相手がフットフォールトを犯している場合、こちら側はどのような対応をすればよいのか…。(C)Getty Images

 多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思う方もいるかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。

 そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。テニス専門誌「スマッシュ」では、元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。

 今回は「相手のフットフォールト」についてです。セルフジャッジの試合では果たしてこちら側から判定を下すことはできるのでしょうか…。

 結論から言うとできません。フットフォールトのジャッジは、コート内にいるレフェリー以外にできません。ですから、相手のフットフォールトが気になって仕方ないのであれば、近くにいるロービングアンパイアに事情を説明し、数ゲーム立ち会ってもらうといいでしょう。

「試合中に困った時や迷った時は、レフェリーを呼んでもいい」ことを知らないと、試合中ずっとモヤモヤした気持ちでプレーすることになります。躊躇せずに行動を起こしてください。

 ただ、草大会などではレフェリー不在の試合がほとんどです。そのため相手のフットフォールトを取り締まることはできません。ではどうすればいいのか…。
 
 例えば相手のことを一切気にせず、自分自身のプレー(この場合リターン)に意識を集中してはいかがでしょうか。フットフォールトをすることでサ相手のービスエースが激増するとは思えません。ならば自分自身のプレーの精度を高めるほうが得策だと考えるからです。

 ただ、フットフォールトは相手に指摘されませんが、ルール違反であることに変わりはありません。ですから、試合に出る人は最低限のルールとして「フットフォールトはしない」という気持ちで臨んでほしいものです。

解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラムでは全豪オープン3回戦進出をはじめ全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。

※本文と掲載している写真は関係ありません。
※『スマッシュ』2020年4月号より抜粋・再編集

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