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海外テニス

錦織らを輩出した“テニス界の偉人”ボロテリー氏が91歳で逝去。名門テニスアカデミーの創始者<SMASH>

中村光佑

2022.12.06

2014年には、国際テニスの殿堂入りを果たした実績も持つボロテリー氏。(C)Getty Images

2014年には、国際テニスの殿堂入りを果たした実績も持つボロテリー氏。(C)Getty Images

 現地12月5日、アメリカ・フロリダの名門テニスアカデミー「IMGアカデミー」の創設者として知られるニック・ボロテリー氏が、長きにわたる闘病生活の末に亡くなったことがわかった。91歳だった。

 ボロテリー氏は、世界で活躍するプロテニスプレーヤーを目指す若手に総合的な教育とトレーニングプログラムを提供することを目的として、1978年に自身の名前を冠したテニスアカデミーを発足。87年には、大手スポーツマネジメント会社IMGに買収された。

 同アカデミーを卒業した名プレーヤーは数多く、その中には元世界女王で2020年に現役を引退したマリア・シャラポワ(ロシア)や、元世界王者のアンドレ・アガシ(アメリカ)、さらには14年にアジア人選手として初のトップ5入りを達成した錦織圭も含まれている。
 
 各プレーヤーの多面的な成長をサポートする全寮制テニススクールのコンセプトを生み出し、テニスコーチングに革命を起こしたとも評価されているボロテリー氏。

 アガシやジム・クーリエ(アメリカ)、ボリス・ベッカー(ドイツ)といった往年のレジェンドを指導した経験を有しており、14年には国際テニスの殿堂入りを果たした実績も持つ。だが88歳だった20年には、肝臓病を患っていたことが報じられ、以降も体調が優れない日々が続いていたという。

 そして先月下旬には、娘のアンジェリークさんが自身のFacebookで「父は間もなく次の場所へと移動します」と投稿。その直後、ソーシャルメディア上で瞬く間に拡散された死亡説をボロテリー氏自らがインスタグラムのストーリー機能で「私は皆さんが聞いていることとは裏腹にまだ生きていて、元気です」ときっぱりと否定していた。

 しかし、それから約2週間、家族の懸命な看護もむなしく、“テニス界の偉人”はフロリダの自宅で静かに息を引き取った。

 テニスと共に歩んできた人生を全うしたボロテリー氏。どうか天国でも生前と同じように才能ある金の卵たちの成長と進化を見守っていてほしい。

文●中村光佑

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