海外テニス

「僕はメディアから悪役のように扱われやすい」ジョコビッチが“フェイクニュース”に不満を爆発「不公平を許すつもりはない」<SMASH>

中村光佑

2023.01.22

自身の公式インスタグラムですぐさまメディアの報道に反論したジョコビッチ。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全豪オープン」の男子シングルスで4回戦に進出した元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現世界ランク5位)が自身をめぐる"フェイクニュース"に対し、不快感をあらわにしている。

 事の発端は現地1月17日に行なわれたジョコビッチとロベルト・カルバレスバエナ(スペイン/同75位)によるシングルス1回戦の第1セットでのこと。自身のサービスゲームとなった第5ゲームをキープしたジョコビッチは、チェンジコートの際に突如主審へ「トイレに行きたい」と告げた。

 ルール上、トイレ休憩はセット終了時に1度だけ取ることが許されているが、彼はチェンジコートの90秒間を使って用を足すことにしたのだ。

 結局、ジョコビッチはタイムバイオレーションを宣告されずにコートに戻り、そのままプレーを続行。終始安定したパフォーマンスを披露し、カルバレスバエナにストレート勝利を収めた。

 試合終了後、全豪を放送している欧米スポーツメディア『Eurosport』は、ジョコビッチが通例のセット間ではなくゲーム間でトイレに向かったことを踏まえ、「ノバク・ジョコビッチが全豪オープンの1回戦で審判に逆らって早めのトイレ休憩を取った」と題した記事を公式ニュースサイトで配信した。

 これに対してすぐさまジョコビッチは自身の公式インスタグラムのストーリーズ機能で「間違った報道だ」と反論。まず初めに当時の状況をこう説明した。
 
「主審はトイレに行くことを認めてくれたが、(通常は)ウェアの着替えだけが許されていてトイレットブレークはないと言われた。カメラには映っていないが、主審は僕に『早くしなさい』と言った。僕は聞こえなかったけど、コートの外に出ようとしたとき、主審が僕を呼んだ。

 僕を呼んだのはトイレがコートの反対側にあることを伝えるためだった。行った先でトイレを見つけたから、僕は急がないといけなかった。主審やルールに"逆らった"わけではない。主審は僕に許可を出し、『早く行きなさい』と言った」

 そして同投稿でジョコビッチは「次回は報道する内容に気を付けてほしい。批判的で間違ったことを公表する前に、それが正しいかどうかをチェックしてほしい」と綴り、誤った情報を拡散させた『Eurosport』を糾弾した。

 米テニス専門メディア『Tennis Majors』によると、ジョコビッチは現地1月19日に応じた母国セルビアメディアの取材で、フェイクニュースに言及している。

「僕はメディアから悪役のように扱われやすい。でも不公平なことを許すつもりはない。メディアが公に僕をリンチしているのがわかっているのに、なぜATP(男子プロテニス協会)やグランドスラムは、前に出てきて状況を説明しないのか」と再び不満を爆発させたという。ちなみに『Eurosport』はジョコビッチがSNSで反論コメントを出した直後に当該記事を削除している。

 なお、今回の全豪で同大会10度目の優勝を狙うジョコビッチは、現地1月21日に実施された3回戦で第27シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/28位)に7-6(7)、 6-3、6-4のストレートで勝利。2年ぶり15度目のベスト16入りを決めた。

文●中村光佑

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【動画】ジョコビッチが4回戦進出を決めたディミトロフ戦のハイライト