ツイッター上で「チェコの選手」がふたたびトレンドワード入りを果たしている。
3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本のファンを虜にしたのが、初出場のチェコ代表チームだった。初出場でセミプロばかりの軍団ながら、溌溂としたプレーが印象的で、デッドボールを与えたチェコ選手の元を佐々木朗希がお菓子を持って見舞うなど、サイドストーリーにも事欠かなかった。
大会中はもちろん、終了後も「チェコの選手」はずっとトレンド入りしていたが、さすがに最近はあまり話題に上らなかった。ところが、この数日でしばしば再浮上。クリックしたユーザーの多くが「野球かと思ったらテニスだった」と驚いている。テニスの四大大会「全仏オープン」での一大騒動が日本でも大きな注目を集め、そこに登場するチェコ人プレーヤーに向けたコメントが殺到したのだ。
現地6月4日の女子ダブルス3回戦だった。加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)組とマリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組が対戦。その第2セット第5ゲームで加藤が相手コート側へ軽くボールを打ち込んだところ、なんと打球がサービス用のボールを相手ペアに渡そうとスタンバイしていたボールガールの頭部を直撃してしまう。涙が止まらなくなった少女。主審は加藤にいったん、警告を言い渡した。
ところが、甘い裁定に納得できないボウズコワとソリベストルモが猛然と抗議。ソリベストルモは「失格でしょ。わざとじゃない? 彼女は泣いているじゃない!」とまくし立て、ボウズコワは「血が出ているわよ。よく見てあげて」と主審を促す。やがてスーパーバイザーとレフェリーもコートに現われて協議した結果、加藤は失格処分となり、賞金とポイントも剥奪された。
選手仲間たちやプロテニス選手協会などから加藤に同情の声が集まるなか、大バッシングに晒されたのが対戦ペアの敬意を欠いた振る舞いだった。インスタグラムに批判的なコメントが怒涛の勢いで書き込まれると、「私たちは悪くない」「ボールは2倍強かった」など反論を展開して火に油を注いだ。協議の最中でベンチに座ってニヤニヤと笑う画像も拡散し、もはや言い逃れができなくなった。それでも両選手はインスタを閉鎖していないため、いまだに手厳しい声が続々と寄せられているようだ。
気持ちを切り替えた加藤は混合ダブルスで快進撃を続け、見事優勝を飾った。キャリア初のグランドスラム制覇で、その直後には頭に打球をぶつけたボールガールを見舞って笑顔のツーショット写真を紹介するなど、誠実な言動で一気に声価を高めた。かたや、その反動で対戦ペアにはいっそうの非難が浴びせられ、「チェコの選手」の再度トレンド入りに繋がったと見られる。
当初は野球代表との比較で「好感度をぶち壊した」「がっかりです」「みんなチェコが大好きになったのに残念」「野球選手たちを見習え!」といった声が多かったが、「国籍でくくるべきじゃない」「別で考えるべき」「野球と関係ないでしょ」「ひとりの行動で決めちゃいけない」「WBCの感動とは無関係」など冷静な意見も少なくない。
今回の全仏オープン・女子シングルスでは、同じチェコ出身のカロリーナ・ムチョバがノーシードから決勝進出を果たして準優勝を飾った。その点に触れるユーザーも多く、「テニスファンならいまはムチョバのほうでしょ」「チェコの選手はムチョバ!」とのコメントも。ちなみにチェコ出身(アメリカとの二重国籍)の伝説的テニスプレーヤーである“女王”マルチナ・ナブラチロワ氏は、ツイッターで「まったく馬鹿げたルール解釈だわ。しかも対戦相手の失格を主張するなんて、恥でしかないわね」と記している。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】加藤未唯の球がボールガールの頭部を直撃…対戦ペアの抗議もあって失格処分となる一部始終
【画像】加藤組が協議するなか、ベンチで“ほくそ笑む”ボウズコワとソリベストルモ
【画像】世界に愛された“ロシアの妖精”マリア・シャラポワの「強く、美しい」厳選フォトを一挙公開!
3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本のファンを虜にしたのが、初出場のチェコ代表チームだった。初出場でセミプロばかりの軍団ながら、溌溂としたプレーが印象的で、デッドボールを与えたチェコ選手の元を佐々木朗希がお菓子を持って見舞うなど、サイドストーリーにも事欠かなかった。
大会中はもちろん、終了後も「チェコの選手」はずっとトレンド入りしていたが、さすがに最近はあまり話題に上らなかった。ところが、この数日でしばしば再浮上。クリックしたユーザーの多くが「野球かと思ったらテニスだった」と驚いている。テニスの四大大会「全仏オープン」での一大騒動が日本でも大きな注目を集め、そこに登場するチェコ人プレーヤーに向けたコメントが殺到したのだ。
現地6月4日の女子ダブルス3回戦だった。加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)組とマリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組が対戦。その第2セット第5ゲームで加藤が相手コート側へ軽くボールを打ち込んだところ、なんと打球がサービス用のボールを相手ペアに渡そうとスタンバイしていたボールガールの頭部を直撃してしまう。涙が止まらなくなった少女。主審は加藤にいったん、警告を言い渡した。
ところが、甘い裁定に納得できないボウズコワとソリベストルモが猛然と抗議。ソリベストルモは「失格でしょ。わざとじゃない? 彼女は泣いているじゃない!」とまくし立て、ボウズコワは「血が出ているわよ。よく見てあげて」と主審を促す。やがてスーパーバイザーとレフェリーもコートに現われて協議した結果、加藤は失格処分となり、賞金とポイントも剥奪された。
選手仲間たちやプロテニス選手協会などから加藤に同情の声が集まるなか、大バッシングに晒されたのが対戦ペアの敬意を欠いた振る舞いだった。インスタグラムに批判的なコメントが怒涛の勢いで書き込まれると、「私たちは悪くない」「ボールは2倍強かった」など反論を展開して火に油を注いだ。協議の最中でベンチに座ってニヤニヤと笑う画像も拡散し、もはや言い逃れができなくなった。それでも両選手はインスタを閉鎖していないため、いまだに手厳しい声が続々と寄せられているようだ。
気持ちを切り替えた加藤は混合ダブルスで快進撃を続け、見事優勝を飾った。キャリア初のグランドスラム制覇で、その直後には頭に打球をぶつけたボールガールを見舞って笑顔のツーショット写真を紹介するなど、誠実な言動で一気に声価を高めた。かたや、その反動で対戦ペアにはいっそうの非難が浴びせられ、「チェコの選手」の再度トレンド入りに繋がったと見られる。
当初は野球代表との比較で「好感度をぶち壊した」「がっかりです」「みんなチェコが大好きになったのに残念」「野球選手たちを見習え!」といった声が多かったが、「国籍でくくるべきじゃない」「別で考えるべき」「野球と関係ないでしょ」「ひとりの行動で決めちゃいけない」「WBCの感動とは無関係」など冷静な意見も少なくない。
今回の全仏オープン・女子シングルスでは、同じチェコ出身のカロリーナ・ムチョバがノーシードから決勝進出を果たして準優勝を飾った。その点に触れるユーザーも多く、「テニスファンならいまはムチョバのほうでしょ」「チェコの選手はムチョバ!」とのコメントも。ちなみにチェコ出身(アメリカとの二重国籍)の伝説的テニスプレーヤーである“女王”マルチナ・ナブラチロワ氏は、ツイッターで「まったく馬鹿げたルール解釈だわ。しかも対戦相手の失格を主張するなんて、恥でしかないわね」と記している。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】加藤未唯の球がボールガールの頭部を直撃…対戦ペアの抗議もあって失格処分となる一部始終
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