海外テニス

「これがアメリカでの最後の大会かも」故障と復帰を繰り返すモンフィスが近い将来での引退を示唆<SMASH>

中村光佑

2023.08.03

シティDCオープンの公式パーティーに姿を見せたモンフィス夫妻。モンフィスは自分よりも長くプレーするだろうスビトリーナをサポートしたいという。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「ムバダラ・シティDCオープン」(7月31日~8月6日/アメリカ・ワシントンD.C./ハードコート/ATP500)に出場している元世界ランク6位のガエル・モンフィス(フランス/現323位)が、1回戦勝利後のオンコートインタビューで自身の今後のキャリアについて言及。「今大会がアメリカでの最後の大会になるかもしれない」と発言した。

 今年3月の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)で右足首のケガから約半年ぶりのカムバックを果たしたモンフィス。だが36歳という年齢も影響しているのか、ここ最近は度重なる故障で復帰と離脱を繰り返している。

 6月の全仏オープンでは左手首の負傷により2回戦を試合前に棄権。以降は大会出場を見送ってきたが、北米ハードシリーズ初戦となった先月下旬の「アトランタ・オープン」(ATP250)1回戦で約1か月半ぶりのツアー復帰を遂げた。

 今週のワシントン大会に本戦ワイルドカード(主催者推薦)で出場したモンフィスは、現地7月31日の1回戦で予選勝者のビヨン・フラタンジェロ(アメリカ/695位)を相手に序盤から主導権を確保し、試合を通して2度のブレークに成功。6-3、6-4のストレートで勝利し、今季2度目となるツアーレベルでの白星を手にした。

 勢いそのままに、現地8月2日に実施された2回戦でも第6シードのアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン/25位)に6-3、6-4で快勝したモンフィス。3回戦では第12シードのタロン・フリークスポール(オランダ/37位)と対戦する予定だ。
 
 復調の兆しを見せ始めているモンフィスだが、1回戦後のオンコートインタビューでは長く暗いトンネルを抜け出せない状況が続いていることを踏まえ、「僕の引退は近付いている」とコメント。妻で女子元世界3位のエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ/現27位/28歳)が産休明けから素晴らしい活躍を見せていることにも触れつつ、こう続けた。

「エリーナは僕よりもずっと長くプレーすると思うよ。この大会(ワシントン)が僕にとってアメリカでの最後のトーナメントの一つになるかもしれない。もしかしたら来年かもしれないし、まだわからない。でも近いうちにそうなると思う。(引退しても)赤ちゃんとエリーナをサポートするために戻ることはできるよ。だから(いずれにしろ)僕にはまた会えるよ」

 モンフィスの言葉にはどこか寂しさを感じてしまう。ファンとしてはまだまだ現役でプレーし続けてもらいたいものだが、すでに完全復活への希望を失いかけているのかもしれない。それでも一つずつ勝利を重ねていけば、モンフィスの心境に前向きな変化が生まれる可能性もある。今はその時が来るのを信じて待つしかない。

文●中村光佑

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