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ベテランはスピードよりも低く滑らせよう! 福田勝志が実戦で効くスライスサービスを指南【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.11.25

面を斜めに開いてボールを捉え、その角度をキープしてボールをカット(4~6コマ目)。薄く当てることで弾ませないようにするのが福田勝志選手のスライスサービスだ。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は47歳となった今なお現役を続ける超人、福田勝志選手が登場。ベテランに適したスライスサービスの打ち方を教えてくれた。

  *  *  *

 僕はスライスサービスを多く使います。肩が強くないので、上から叩くのはしんどい...。いくら頑張っても150キロぐらいしか出ませんし、自分では会心のサービスが相手には"超打ちごろ"になります。それならばトスを横に上げて弾まないサービスを打った方がいいかなと思って、スライスメインにしたんです。

 逆にそう割り切った方が、次のストロークに移行しやすいですね。変に頑張ってサービスを強打しても、バランスを崩したら逆効果ですし、自分にストレスもかかります。

 2020年頃から、より横にトスして"カットサービス"みたいに低く緩く打つようにしたら、全体の流れが良くなりました。試合でも意外に通用しますし、まあレベルが上がると厳しいですが、一般の方ならきっと有効だと思います。

 というのは、中途半端にスピンをかけるより、ボールが弾まないぶん相手は持ち上げにくいんです。緩いなら極端に緩い方が効くものですよ!
 
 打ち方のポイントは、トスを外寄りに横に上げて、ラケット面を若干斜めに開いてボールの左下(※右利きの場合は右下)に入れることです(4コマ目)。そしてそのままの面の角度を維持してボールを切ります(5~6コマ目)。それには打点はあまり高くない方がいいですね。

 打った後はラケットを横に振り抜いていきます(7コマ目)。厚く当てるなら前ですが、ボールを薄くこすりたいので、身体の横(※右利きならば左側)に回していくわけです。

【プロフィール】福田勝志/ふくだかつし
1976年4月14日、京都府生まれ。168cm、60kg、左利き。同志社大学出身。28歳でプロ転向し、正確なショットと頭脳的な配球で活躍。全日本選手権に計29回出場し、47歳の今なお現役でツアーを回る国内最年長プロ。日本ランク最高9位、現在89位(2023年11/21付)。LUCENT ATHLETE WORKS所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2022年6月号より再編集

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