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「とにかくさらに上を目指すだけだ」元世界6位オジェ-アリアシムが来季へ向け意気込み!同年代のトップ選手についても言及<SMASH>

中村光佑

2023.12.20

2023年は思うように結果が出せなかったオジェ-アリアシムが、1年を振り返り、今後に向けて意欲を語った。(C)Getty Images

 男子テニス世界ランク29位のフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ)が欧米スポーツメディア『Eurosport』のインタビューに登場。そのなかで苦戦が続いた2023年シーズンを振り返るとともに、再起に向けての意気込みを語った。

 昨年2月の「ABN アムロ ワールドテニス」(オランダ・ロッテルダム/ATP500)において決勝での連敗を8で止め、悲願のツアー初優勝を飾った23歳のオジェ-アリアシム。同年10月の「フィレンツェ・オープン」(イタリア・フィレンツェ/ATP250)からは3週連続優勝を果たすなど順調に勝ちを重ね、11月にはキャリアハイの世界6位をマークした。

 ところが今年のオジェ-アリアシムは期待通りの結果を出せない苦しい日々が続いた。最高峰の四大大会では、ベスト16入りした1月の全豪オープン以外は全て初戦敗退。通算でも23勝19敗と不本意な成績に終わり、現在はランキングも29位に低迷している。

 ヒザを負傷するなどフィジカル面でも悩まされた今季は、オジェ-アリアシムにとっても試練の1年だったようで、「100%のパフォーマンスで戦えなくなった」ことで自信を失った時期もあったという。それでも23歳の若き俊才は、苦境に立たされている現状を受け入れ、しっかりと前を向いていきたいと意欲を示している。
 
「シーズン初めには6位につけていたが、今は29位だ。 テニスプレーヤーとしてそれを受け入れ、そうなった理由を分析する必要がある。言い訳をするのではなく、何が起こったのかを理解して最高のレベルに戻り、さらに前進するために何ができるのかを把握することだ。(ベスト4に進んだ)21年の全米オープンのように四大大会で勝ち進んだり、再び世界6位になったりするということを言っているのではない。とにかくさらに上を目指すだけだ」

 その後改めて「ケガや自分への疑念によって複雑な年になった」と今年1年を振り返ったオジェ-アリアシムだが、シーズン終盤の「ジャパン・オープン」(東京/ATP500)ではベスト8進出、「バーゼル・オープン」(スイス・バーゼル/ATP500)では大会連覇を果たすなど復調の兆しも見せつつある。そうした状況を踏まえ、カナダテニス界のニューヒーローは自身と同年代のトップ選手とも「対等にやれるはず」と力を込めた。

「僕が船に乗り遅れているとは思っていない。例えばシナー(イタリア/現4位/22歳)は非常に良い1年を過ごした。特に彼は優勝した中国の北京大会(ATP500)から調子が上がり始めたが、その様子は昨年の僕と少し似ていたと思う。ただ僕にもライバルがいて、その中で逆境も経験した。僕は自分がやるべきことに集中しており、そういったトップ選手全員と張り合えるという信念を今でも持っている」

 どんなに強い選手も良い時期がずっと続くわけではない。今年1年の不調は状況が好転するサインであると信じながら、新たな気持ちで新シーズンに臨んでほしい。

文●中村光佑

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