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来季開幕戦で復帰のナダルに元世界4位ヘンマン氏が期待!「どれだけ基盤を作れるか」で全仏と五輪の本命にも!?<SMASH>

中村光佑

2023.12.26

ヘンマン氏(右)はナダル(左)のカムバックに大きな期待を寄せ、全仏と五輪でのタイトル獲得が見たいと願望を口にした。(C)Getty Images

 2024年シーズンの開幕戦となる男子テニスツアー「ブリスベン国際」(23年12月31日~24年1月7日/オーストラリア・ブリスベン/ハードコート/ATP250)で、約1年ぶりのツアー復帰を遂げる元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現670位)。これまでのような完全復活はもちろんだが、中でも彼が14度もの優勝を誇る四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート)で再び頂点に立つ姿を見たいと思っているファンは多いのではないだろうか。

 11度のツアータイトルを獲得している元世界4位のティム・ヘンマン氏(イギリス/49歳)は、同じように考える人物の1人だ。「彼が偉大なチャンピオンであることは、彼がメジャー大会でまた優勝する可能性があると言わざるを得ない」と待望のカムバックを果たす37歳の鉄人に、ヘンマン氏は大きな期待を寄せる。

 さらに同氏はナダルが順調に試合数を重ねていけば、類まれなる強さを見せてきたクレーシーズンで本来の力を発揮できるはずだと確信している。「いずれにせよ、彼がケガなく過ごすことができれば、クレーシーズンでは何でもできるだろう」と前置きしつつ、ナダルに思い出の全仏で再び優勝トロフィーを掲げてほしいと願いを込めた。

「彼が現役である限り、常にパリ(全仏)では大本命になる。ラファはただ数試合を勝つ、もしくは大会の準々決勝か準決勝に進出するだけで満足する男ではない。彼がツアーに戻ってくるのは、まだまだ四大大会のタイトルを積み重ねたいと思っているからだろう」
 
 来夏には全仏と同じローランギャロスの舞台でパリ五輪が開かれるが、"赤土の王者"が最も得意とするコートでプレーできるからこそ、ヘンマン氏はナダルの金メダル獲得も見てみたいと願望を明かす。そのうえでナダルの全仏と五輪の2冠は、復帰直後のパフォーマンスで「どれだけ彼が基盤を作れるかに懸かっている」と主張した。

「(年初に)ハードコートでプレーすることによって、彼のフィットネス、競争力、そして自信をつかむための出発点になり得ると感じている。たくさんの試合をプレーして選手たちと競いながら、(時には)コート上で苦しみ、逆境に対処する必要がある。彼はそれを長い間やっていないからね。(もちろん)そのような状況下で、トップレベルの大会でプレーするのは簡単ではない。

 彼がシーズン前半で何ができるかによって、全仏で優勝できる立場にいるかどうかがわかると思う。私は彼にぜひ優勝してもらいたいし、オリンピックでも金メダルを獲ってほしいと思っている。それは信じられないような話になるだろうけどね」

 確かに今の段階では"信じられない話"かもしれないが、周囲の予想をはるかに超えてくるのがラファエル・ナダルという男だ。まずはブリスベンでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、非常に楽しみだ。

文●中村光佑

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