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海外テニス

「僕にはまだ小さな情熱がある」37歳のモンフィスが引退か現役続行かで揺れ動く胸の内を明かす<SMASH>

中村光佑

2023.12.28

子どもが生まれたモンフィスは「旅をしながら犠牲を払うのは難しい」と語る一方、「コートにいるのが本当に楽しい」とテニスへの情熱も持ち続けている。(C)Getty Images

子どもが生まれたモンフィスは「旅をしながら犠牲を払うのは難しい」と語る一方、「コートにいるのが本当に楽しい」とテニスへの情熱も持ち続けている。(C)Getty Images

 類まれな身体能力を生かしたプレーで12個のツアータイトルを獲得している男子テニス元世界6位のガエル・モンフィス(フランス/現74位)。今年9月に37歳を迎えた彼は、年齢の影響もあるのか度重なるケガに悩まされており、近年は復帰と離脱を繰り返す苦しい日々を送っている。

 大ベテランの域に達しているモンフィスは2022年10月に妻のエリーナ・スビトリーナ(女子25位)との間に第1子の女児が誕生したことを踏まえ、近い将来での現役引退を度々示唆してきた。先日応じたニュージーランドメディア『Stuff』のインタビューでも「テニスを辞めたくはないが、旅をしながら犠牲を払うのは難しい」と過酷なツアーで戦い続けることの大変さを語っている。

 それでも37歳の名手は心の奥底にある“小さな情熱”が現役続行の原動力になっていると明かす。10月に出場したストックホルム大会(スウェーデン/ATP250)で優勝を飾るなど復調の兆しを見せつつあるモンフィスは、テニスへの並々ならぬ思いを覗かせながらこう続けた。

「僕はこのスポーツが大好きだ。コートにいるのが本当に楽しい。それを否定するつもりはない。シンプルに(まだ)コートに立てているのは本当に信じられないことだ。代理人のニコラス・ランペリン氏や妻と(今後のキャリアについて)難しい話をすることもあったけど、自分がやってきたことには満足している」
 
「僕はただテニスを楽しみたいだけだ。ニコラスとエリーナがプレーを続けるよう後押しする良い言葉を僕にかけてくれた。僕にはまだその小さな情熱があり、それは僕が前進するのに役立っている」

 スペインのテニスメディア『Punto de Break』によると、モンフィスは先々週に参加したエキジビションマッチ「アルティメット・テニス・ショーダウン」(イギリス・ロンドン)で試合中に転倒して足首を負傷。状態が心配されているが、ランペリン氏がトーナメントディレクターを務める年明け開催の「ASBクラシック」(24年1月8日~13日/ニュージーランド・オークランド/ATP250)には「良い状態で臨めるだろう」と順調な回復ぶりを報告している。

 ちなみに最後にモンフィスがオークランド大会に出場したのは13年1月。この時は準々決勝で元世界2位のトミー・ハース(ドイツ/現45歳)を逆転で破るなど快進撃を見せてベスト4へ勝ち進んだ。11年ぶりとなるニュージーランドの地で今度は優勝したいと意気込みを示し、インタビューを締めくくった。

「年を取ったように感じるけど、人々が僕のことを覚えていてくれているのはうれしい。僕がまたこの地にやって来られたこと、そしてストックホルムの時のように、ここでまた勝てるということを示したい。良い状態でプレーできるように準備して、最高の選手たちに挑みたい」

 エンターテイナーとして長年男子ツアーを盛り上げてきたモンフィス。年明けから幸先良いスタートを切れるか注目したい。

文●中村光佑

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