海外テニス

全豪3回戦で足をすくわれた女王シフィオンテク「積極的になろうとしたが焦ってしまった」と敗因を語る<SMASH>

中村光佑

2024.01.21

19歳のノスコワ(左)に逆転負けしたシフィオンテク(右)。「彼女のサービスはルバキナやサバレンカを想起させた」と相手を称えた。(C)Getty Images

 世界女王が19歳の新鋭に屈した。

 現在開催中のテニス四大大会「全豪オープン」は現地1月20日に女子シングルス3回戦を実施。世界ランク1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は同50位で19歳のリンダ・ノスコワ(チェコ)に6-3、3-6、4-6の逆転で敗れ、同大会5年連続5度目のベスト16入りを逃した。

「第2セットでブレークされるまでは、全てをコントロールできている感覚だった」――その言葉通り、この試合を優勢に進めていたのはシフィオンテクの方だった。

 序盤の第3ゲームで2度のブレークポイントを凌いだシフィオンテクは第6ゲームで2度目のブレークポイントを生かし、そのリードを守り切って幸先よく1セットアップ。だが第2セットに入ると徐々にノスコワのペースとなり、計15本のウイナーを決められるなど悪戦苦闘。何とか相手のパワーテニスに対抗しながらキープを続けるも終盤の第8ゲームでブレークされ、セットオールに持ち込まれる。

 全てがかかったファイナルセットもなかなか流れをつかめず、2度のブレークを許して勝負あり。絶対女王と称される22歳がまさかの3回戦敗退を喫した。

 試合後の会見で「自分の何が悪かったのかを分析する必要がある」と切り出したシフィオンテクは、敗因を次のように簡潔に語った。

「ブレークバックのチャンスが何度かあったけど、それを生かすことができなかったし、(何よりも)自然な感覚でプレーできなかった。ブレークされた時はもっと積極的になろうとしたが、結局焦ってしまった」
 
 若くしてすでに四大大会3勝を挙げているシフィオンテクだが、全豪では今回を含む出場6大会でベスト4以上の進出がわずか1回と苦戦を強いられている。ちなみに今大会は初戦で20年全豪覇者のソフィア・ケニン(アメリカ/現41位)、2回戦では22年全豪準優勝のダニエル・コリンズ(アメリカ/現62位)と当たる厳しいドローとなり、フルセットマッチとなったコリンズ戦では第3セット1-4から大逆転で勝利をつかみ取った。

 徐々に調子も上がってくると予想されていただけに、シフィオンテクにとってはショッキングな敗戦となったはずだ。それでも女王は「彼女は失うものが何もなかった中で全てをうまくやってのけた。彼女のサービスはルバキナ(カザフスタン/3位)やサバレンカ(ベラルーシ/2位)を想起させた」と素直に勝者を称え、今後に向けて前向きな言葉を残した。

「結果的にはうまくいかなかったけど、できる限りのことはやれたと思う。もちろん、この大会でもう少し良いプレーができれば良かったとは思うけど、後悔はしていない。今年は結果やランキングはあまり重視せず、自分のプレーに集中していきたい。今年、私が望んでいる唯一のことはまた頑張っていくこと。自分のプレーを披露する機会は今後もたくさんある」

 まだまだ始まったばかりの24年シーズン。どんな時もポジティブな姿勢を貫くシフィオンテクの立て直しに期待だ。

文●中村光佑

【動画】シフィオンテクがノスコワにまさかの逆転負けを喫した全豪オープン3回戦ハイライト

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