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海外テニス

100位付近で低迷するティームが苦しい胸中を吐露「今年もそんな順位なら続ける価値があるか…」と引退もにおわす<SMASH>

中村光佑

2024.01.31

調子が上がらないティームは、一度ツアーを離れてトレーニングに励み、引退も覚悟の上でチャレンジャー大会での再挑戦を考えている。(C)Getty Images

調子が上がらないティームは、一度ツアーを離れてトレーニングに励み、引退も覚悟の上でチャレンジャー大会での再挑戦を考えている。(C)Getty Images

 2022年3月に手首のケガから復帰して以降、以前の強さを取り戻せずにいる男子テニス元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア/現90位)。どれだけ頑張っても結果を残せない現状に、いよいよ精神的にも参り始めている様子だ。

 待望のカムバックを果たしてから1度もツアー優勝がなく、最近の出場大会ではベスト8に進出するのがやっと。それでも昨シーズンは母国開催の「ジェネラリー・オープン」(ATP250)で準優勝するなど復調の兆しも見せつつあったが、その後は再び成績が振るわず…。年が明けてからも「ブリスベン国際」(ATP250)と先の「全豪オープン」(四大大会)でいずれも初戦敗退に終わり、長く暗いトンネルを抜け出せずにいる。

 オーストリアの日刊紙『DerStandard』によると、現時点でティームは間もなく開幕する「デビスカップ・プレーオフ」(2月3日~4日/アイルランド・リムリック/国別対抗戦)とエキジビションマッチ「アルティメット・テニス・ショーダウン(UTS)」(2月9日~11日/ノルウェー・オスロ)に参戦する予定だ。

 その後のプランについては、3月に開かれる米国マスターズ2大会(インディアンウェルズとマイアミ)ではプレーせず、「2、3週間程度のトレーニング期間を設けるつもりだ」とコメント。トレーニング期間終了後はハンガリー、クロアチア、イタリアで開催されるチャレンジャー(下部大会)3大会への出場を検討しているという。その理由について、自身の現況を踏まえこう説明した。
 
「大会のレベルを下げて負荷を減らしたい。もしチャレンジャーで結果を出せればすぐにトップ70、60まで戻すことができるだろう。今のランキングでは(レベルの高いツアー大会は)難しいから、そうすることで次にどの大会に出るのかをより良い形で計画できると思う。今の僕はATP250でプレーするのも複雑な状況だ」

 続けてこの決断は引退の覚悟も込みで下したものだと語気を強めた。「これが最後のチャンスだと考えている。うまくいけば全てがすぐに変わる可能性はある。ケガから復帰して2年経ったが、22年はトップ100に近い順位で終え、昨年は98位で終わった。今年もそんな感じの順位で終わるとすれば、プレーを続けることに価値があるかどうかを考えなければならない」

 その上でティームは自身の変革につなげたいとの考えから、昨年4月にコーチ契約を結んだ名将ベンジャミン・エブラヒムザデ氏(ドイツ/元512位)との師弟関係を全豪終了後に解消したと発表。新コーチについては「僕のキャリアをよく知っている人を選びたい」と述べるにとどめた。

 20年全米オープンで悲願の四大大会初優勝を遂げるなど男子ツアーの代表格として活躍してきたティーム。1日も早く彼の状況が好転することを祈りたい。

文●中村光佑

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