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海外テニス

四大大会3勝を誇るワウリンカが“ビッグ3”の違いを明かす「ロジャーはスピーディーな選手だった」<SMASH>

中村光佑

2024.02.13

元世界3位のワウリンカ(左)が、テニス界のビッグ3と称されるナダル(右上)、フェデラー氏(右中)、ジョコビッチ(右下)のプレースタイルの違いを語った。Getty Images

元世界3位のワウリンカ(左)が、テニス界のビッグ3と称されるナダル(右上)、フェデラー氏(右中)、ジョコビッチ(右下)のプレースタイルの違いを語った。Getty Images

 男子テニス元世界ランク3位のスタン・ワウリンカ(スイス/現60位)がアルゼンチンのスポーツ新聞『Olé』のインタビューに登場。その中でテニス界の“ビッグ3”と称されるロジャー・フェデラー氏(スイス/元1位/22年引退)、ラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現646位)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/現1位)の各選手と対戦した時の違いについて語った。

 2002年にプロ転向を果たし、ビッグ3と同じ時代を渡り歩いてきた38歳のワウリンカはそれぞれ同郷のフェデラーに3勝23敗、ナダルに3勝19敗、ジョコビッチには6勝21敗という成績を残している。いずれも大きく負け越しているとはいえ、無類の強さを誇ってきた伝説の3巨頭から3勝以上を挙げているだけでも大いに評価されるべきだろう。

 ワウリンカは3人の鉄人たちと幾度となくしのぎを削ってきた中で、「彼らは皆、プレースタイルに(明確な)違いがある」と明かす。強靭なフィジカルを生かしたプレーに苦しめられたというナダルについてはこう説明した。

「左利きのラファとの試合は非常にタフで、非常にフィジカルなバトルでもあった。彼と対戦するのは肉体的にも精神的にも難しい」
 
 次に挙げたのは共にスイステニス界を牽引してきたフェデラー。自身と同じ片手バックハンドをはじめ、華麗なプレーでファンを魅了してきたテニス界の英雄にリスペクトを示しつつ、「ロジャーはコート上で不快に感じるほどスピーディーなテニスをする選手だった」と述べた。

 最後に挙げたのはジョコビッチ。ワウリンカは全盛期に四大大会で3勝(全豪・全仏・全米)を挙げているが、そのうちの2度(全仏・全米)は決勝でジョコビッチを破ってのものだった。ビッグ3の中では“最も得意な相手”と言っても過言ではないが、それでもワウリンカは「ノバクはプレースタイルを見ても完璧な選手だ」と謙虚に称賛の言葉を口にした。

 そして38歳の名手は3巨頭とのこれまでの対戦を振り返り、最後をこう締めくくった。「何度か勝つチャンスはあったが、あの3人には何度も負けてしまった。僕にとって、テニス史上最高の選手たちと対戦するのは常に貴重な機会だった。たとえ負けたとしても、彼らと試合ができるのは常に大きな挑戦だったし、そういった選手たちとの対戦はいつも特別だった」

 男子テニスを語る上で欠かせない存在となったビッグ3に引けを取らないプレーで華々しい活躍を遂げたワウリンカ。もうフェデラーとの対戦は残念ながら見られないが、ナダルとジョコビッチに関しては各々まだどこかで相まみえる可能性はある。その時をファンも心待ちにしているはずだ。

文●中村光佑

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