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審判への暴言を理由に失格となったアルゼンチン選手が抗議!「ATPと審判員による権力の乱用だ」<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.03.16

ネットタッチを取られたオリーボが判定を巡り猛抗議し、その際に発した暴言や態度を理由に失格となったが…。(C)Getty Images

 チリのサンティアゴで行なわれているテニスツアーの下部大会「ダブメンケア・サンティアゴ・チャレンジャー」(クレー)のシングルス1回戦で、レンツォ・オリーボ(アルゼンチン/世界ランク286位)が審判に暴言を吐いて失格となった。これにより、エントリーしていたダブルスも失格、さらに最高で10,000ドル(約150万円)の制裁金を支払う羽目になっている。

 問題の場面は、予選勝者のオルランド・ルス(ブラジル/同373位)と戦った1回戦の第2セット第3ゲームだった。

 セットダウンしていたオリーボは、ブレークポイントを握られた状況でサービスダッシュに出るも、その際ネットにタッチしたとコールされてゲームを落とす。だがこれに納得できず、チェアアンパイアを務めたブラジル人のラファエル・マイアに猛抗議。頭をかかえ、コーチに向かって「彼(審判)は犯罪者だ!」と叫んだ。

 すると、まず抗議に対してマイア主審から警告が出され、さらに暴言を吐いたとしてスーパーバイザーが呼ばれると、失格の裁定が下った。スーパーバイザーが来るまでの間には、激昂したオリーボがラケットをベンチに投げつけ、審判台を蹴りつけるなど大荒れとなった。

 31歳のベテラン選手は、2017年に自己最高の78位をマークし、四大大会本戦にも4回出場している実力者だ。いったいなぜこれほど怒りが増幅したのか。テニスメディア『CLAY』のインタビューに本人が答えている。
 
「試合は穏やかに進行し、相手はとても良いプレーをしていて、自分のレベルも上がっていた。ブレークポイントで、自分がしていないネットへのタッチをコールするのは、悪意を持ってないとできない」

 オリーボは、審判へできる限りの敬意を払いたいと言いつつもこう主張する。

「状況をさらに悪化させたのは、審判と話し始めるとすぐに彼はぼくを挑発し、皮肉っぽく言ってきたことだ。また彼は、ぼくが面と向かって暴言を吐いたとスーパーバイザーに伝えたたが、それは真実じゃない」

「試合中の選手はふつうアドレナリンが出て高揚した感情に圧倒されるもの。審判は椅子に座って冷静に状況に対処してもらう必要がある」

 シングルス失格によってダブルスも失格となり、高額な罰金まで支払うことについては、「あまりに多くの懲罰は、ATPと審判員による権力の乱用だと思う」と話している。

 南米においてライバル関係にあるブラジルとアルゼンチン。とはいえ、審判の選手に対する言葉や態度が挑発的だったかどうかは受け取り方次第だろう。また暴言を審判に向かって言ったのか、コーチに向かって言ったのかも微妙なところ。確かなのは、オリーボが払った代償は大きかったということだ。

構成●スマッシュ編集部

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