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錦織圭、マイアミ・オープンで約8カ月ぶりの実戦復帰!好プレーで会場を沸かすも勝利ならず!<SMASH>

中村光佑

2024.03.22

復帰戦は黒星スタートとなった錦織圭だが、半年以上にわたるブランクを感じさせないプレーも随所で見せた(写真は昨年のアトランタOP)。(C)Getty Images

 元世界ランク4位の錦織圭(現351位/34歳)が復帰戦として臨んだ男子テニスのマスターズ1000大会「マイアミ・オープン」(3月20日~31日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)。現地21日にシングルス1回戦が行なわれ、本戦ワイルドカード(主催者推薦)を獲得した錦織は世界40位のセバスチャン・オフナー(オーストリア)と対戦。3-6、4-6のストレートで敗れ、残念ながら復帰戦での勝利とはならなかった。

 錦織がツアー公式戦のコートに立つのは左ヒザのケガを負った昨年7月の「アトランタ・オープン」(ATP250)以来約8カ月ぶり。実に半年以上のブランクがある中で臨んだオフナーとの初対決には敗れはしたものの、随所に錦織らしいプレーを披露し、会場のファンを大いに沸かせてくれた。

 錦織は開始直後の第1ゲームから正確なリターンを起点にいきなりブレークポイントを取得。しかしここはオフナーが強烈なサービスを打ち込んできたことでチャンスを生かせず、反対に直後の第2ゲームでは相手の力強いリターンとストロークに押されてブレークを献上してしまう。

 巻き返しを図る中で徐々にリズムをつかんでいく錦織。第3ゲームでは代名詞のバックハンドのダウンザラインも飛び出し、ストローク戦でも順調にポイントを重ねて再びブレークポイントを握る。しかしここでもオフナーの精度の高いワイドサービスに対応できずブレークバックを逃すと、以降は反撃の糸口を見出せないまま第1セットを落とす。
 
 第2セットは互いにキープが続くシーソーゲームに。第5ゲームでは相手に2本のブレークポイントを握られた錦織だったが、ここは巧みなネットプレーも織り交ぜて何とかキープ。その後も積極的に前に出てポイントをもぎ取るなどアグレッシブなプレーを見せながら相手に食らいついていく。

 しかし終盤の第7ゲームで再びオフナーの強力なショットに押されてポイント先行を許すと、最後はフォアハンドをネットにかけて痛恨のサービスダウン。1時間19分で力尽き、初戦敗退となった。

 それでも持ち前の多彩なプレーは健在。アンフォーストエラーも計5本と非常に少なかったことを考えると、思いのほか良い感覚でショットを打てていたようだ。ひとまずは最後まで戦い切れたことだけでも錦織にとっては良かったのではないだろうか。

 次戦は4月1日から開催される「全米男子クレーコート選手権」(アメリカ・ヒューストン/クレーコート/ATP250)にプロテクトランキング(負傷離脱前のランキングでエントリーできる救済措置)48位で出場予定の錦織。次こそは待望の復帰後初勝利を期待したいものだ。

文●中村光佑

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