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海外テニス

フェデラー&ナダルのライバル関係に憧れるアルカラス。シナーと共に「長く美しい未来」を築くことを望む<SMASH>

中村光佑

2024.03.26

フェデラーとナダルから多くのことを学んだというアルカラス(左)は、シナー(右)と共に成長を続け、同様のライバル関係を築きたいと考えている。(C)Getty Images

フェデラーとナダルから多くのことを学んだというアルカラス(左)は、シナー(右)と共に成長を続け、同様のライバル関係を築きたいと考えている。(C)Getty Images

 連日熱戦が繰り広げられている男子テニスのマスターズ1000大会「マイアミ・オープン」(3月20日~31日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)。同大会は2004年にロジャー・フェデラー(スイス/元1位/引退)とラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現647位)の2人が初めて対戦した舞台であり、“テニス史上最大のライバル関係”の始まりの地にもなった。

 およそ15年以上にわたってコート上でしのぎを削ってきたフェデラーとナダル。両者がツアーで戦った回数は実に40回にも上る。華やかで芸術的なプレースタイルのフェデラーと力強く猛々しいテニスでファンを魅了してきたナダルの対決は、幾度となく見る者を虜にした。

 そんなレジェンドたちのレガシーを受け継ごうとしているのが、次代のテニス界を担う2人の若武者、カルロス・アルカラス(スペイン/2位/20歳)とヤニック・シナー(イタリア/3位/22歳)だ。

 先の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)で連覇を飾り、第1シードで出場中の今大会でもベスト16入りを決めているアルカラスは、過去4勝4敗と互角のシナーを自身の最大の好敵手と位置付ける中で、フェデラーとナダルのライバル関係から「学んだことがある」と明かす。中でも2人の鉄人たちの飽くなき向上心には感銘を受けたそうだ。
 
「僕が学んだのは決して後れを取ったり、諦めたり、満足したりしてはいけないということだ。常にプレーの改善を図り、レベルを上げなければならないとわかった。自分が最高のレベルにいて、これ以上はできないと思っていてもそんなのは関係ない。いつでももう少し頑張れるはずなんだ」

「一方が負けると、次は勝つためにより良いプレーヤーになろうとした。彼らは長い間それをやり遂げてきたんだ。信じられないことだし、称賛に値するものだ」

 その上でアルカラスはフェデラーとナダルのように、シナーと切磋琢磨しながら最高のライバル関係を築き上げたいという。「現時点での世間の見方では、僕のライバルはヤニックになるだろう。ヤニックと僕にも、長く美しい未来が待っていることを願っている。そうやって彼のレベルに刺激を受けながら、自分の最高のレベルを発揮し、成長を続けられることを願っているんだ」

 思えば1月の全豪オープンで悲願の四大大会初優勝を果たすなど、今季に入ってから負けなしだったシナーの連勝を止めたのもアルカラスだった。どこか運命的なものも感じさせる2人が、今後もお互いの持ち味を存分に出しながらツアーを引っ張っていってくれることを期待したい。

文●中村光佑

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