現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月7日~14日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート/ATP1000)に第1シードで参戦する世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、大会前のメディア対応で同大会の欠場を表明した最大のライバル、ラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現646位)に言及。盟友の早期復帰を願った。
昨年1月の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/四大大会)で左股関節を痛めて以降ツアーを離れていたナダルは、近い将来での引退を示唆していた中、今季開幕戦の「ブリスベン国際」(オーストラリア・ブリスベン/ATP250)で約1年ぶりに復帰。ブランク明けとは思えないプレーでベスト8へと進んだが、続くジョーダン・トンプソン(オーストラリア/大会時55位)との準々決勝で試合途中に左足上部を痛めてしまった。
その直後の全豪の欠場を余儀なくされたナダルは、以降も出場予定だったツアー大会を立て続けにキャンセル。3月3日にアメリカ・ラスベガスで行なわれたエキジビジョンマッチで1度復帰したものの、インディアンウェルズとマイアミの北米マスターズ2大会はいずれも出場を辞退した。
そして過去11度もの優勝を誇るモンテカルロ大会についてもSNSで「身体がどうしても許してくれない。残念ながらプレーできないことを伝える必要がある」と欠場を発表したナダル。長年共にコート上でしのぎを削ってきたジョコビッチは、苦境が続く“赤土の王者”の一日も早い復帰を願っているとエールを送った。
「1人のテニスファンとして、彼(ナダル)には引退までに少なくともあと1回は大会に出場してほしいと思っている。彼は今年が最後のシーズンになるかもしれないと言っていたが、(現状は)ブリスベンの大会に出場しただけで、それ以降はプレーしていない」
先の北米ハードシリーズの開始直前に、インディアンウェルズでナダルの強度の高い練習を見たというジョコビッチは、とりわけ得意なクレーシーズンでナダルに復帰してほしいと強調。中でも14度の優勝を経験している「全仏オープン」(5月26日~6月9日/フランス・パリ/四大大会)への出場は、テニス界にとっても非常に重要なことだと主張しつつ、最後には改めて宿命のライバルへの思いを寄せた。
「クレーは彼のお気に入りのサーフェスだ。彼がキャリアの中でクレー、特にローラン・ギャロス(全仏)で何を成し遂げてきたかは誰もが知っている。大会出場が彼の目標だろうし、僕らもみんな、それをわかっている。彼自身もそう言っている。テニス界全体、特にローラン・ギャロスのために、僕らは彼がプレーできることを願っている。もう一度彼と素晴らしい対戦ができればいいと思う」
ツアーではのべ60回近く対戦しているナダルとジョコビッチの試合をもう一度見たいという想いはファンも同じだろう。それでも焦らずクレーキングのカムバックを待ちたいものだ。
文●中村光佑
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【連続写真】股関節の柔軟性がパワーを生む、ジョコビッチのバックハンド
昨年1月の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/四大大会)で左股関節を痛めて以降ツアーを離れていたナダルは、近い将来での引退を示唆していた中、今季開幕戦の「ブリスベン国際」(オーストラリア・ブリスベン/ATP250)で約1年ぶりに復帰。ブランク明けとは思えないプレーでベスト8へと進んだが、続くジョーダン・トンプソン(オーストラリア/大会時55位)との準々決勝で試合途中に左足上部を痛めてしまった。
その直後の全豪の欠場を余儀なくされたナダルは、以降も出場予定だったツアー大会を立て続けにキャンセル。3月3日にアメリカ・ラスベガスで行なわれたエキジビジョンマッチで1度復帰したものの、インディアンウェルズとマイアミの北米マスターズ2大会はいずれも出場を辞退した。
そして過去11度もの優勝を誇るモンテカルロ大会についてもSNSで「身体がどうしても許してくれない。残念ながらプレーできないことを伝える必要がある」と欠場を発表したナダル。長年共にコート上でしのぎを削ってきたジョコビッチは、苦境が続く“赤土の王者”の一日も早い復帰を願っているとエールを送った。
「1人のテニスファンとして、彼(ナダル)には引退までに少なくともあと1回は大会に出場してほしいと思っている。彼は今年が最後のシーズンになるかもしれないと言っていたが、(現状は)ブリスベンの大会に出場しただけで、それ以降はプレーしていない」
先の北米ハードシリーズの開始直前に、インディアンウェルズでナダルの強度の高い練習を見たというジョコビッチは、とりわけ得意なクレーシーズンでナダルに復帰してほしいと強調。中でも14度の優勝を経験している「全仏オープン」(5月26日~6月9日/フランス・パリ/四大大会)への出場は、テニス界にとっても非常に重要なことだと主張しつつ、最後には改めて宿命のライバルへの思いを寄せた。
「クレーは彼のお気に入りのサーフェスだ。彼がキャリアの中でクレー、特にローラン・ギャロス(全仏)で何を成し遂げてきたかは誰もが知っている。大会出場が彼の目標だろうし、僕らもみんな、それをわかっている。彼自身もそう言っている。テニス界全体、特にローラン・ギャロスのために、僕らは彼がプレーできることを願っている。もう一度彼と素晴らしい対戦ができればいいと思う」
ツアーではのべ60回近く対戦しているナダルとジョコビッチの試合をもう一度見たいという想いはファンも同じだろう。それでも焦らずクレーキングのカムバックを待ちたいものだ。
文●中村光佑
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