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大坂なおみ、全仏OP前哨戦で3回戦進出!「自分のパフォーマンスにとても満足している」と世界20位に快勝<SMASH>

中村光佑

2024.05.10

クレーコートでの戦いを苦手としている大坂が全仏オープンの前哨戦である「イタリア国際」で今季好調の世界20位コスチュクに快勝した。(C)Getty Images

 産休を経てカムバックを遂げた女子テニス元世界ランク1位の大坂なおみ(現173位)が、クレーシーズン3戦目として臨んでいるWTA1000大会「イタリア国際」(5月7日~19日/イタリア・ローマ)。現地9日にはシングルス2回戦が行なわれ、スペシャルランキング(妊娠・出産を経た選手に与えられる救済措置)で参戦している大坂は、第19シードのマルタ・コスチュク(ウクライナ/同20位)と対戦。6-3、6-2のストレートで勝利し、3回戦進出を決めた。

 両者はこれが2020年の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/四大大会)3回戦以来ツアー2度目の顔合わせ。その時は大坂が6-3、6-7(4)、6-2のフルセットでコスチュクに勝利していた。ただ今回は大坂の苦手なクレーコート。さらにコスチュクは今季ここまで19勝8敗と好調なこともあり、大坂にとっては厳しい戦いとなることが予想されていた。

 だが試合が始まると大坂が理想的な展開でゲームの主導権を握る。コスチュクの度重なるダブルフォールトやミスにも助けられる形で第1ゲームから4ゲームを連取すると、第5ゲームで1つブレークを返されるもリードを守り切って第1セットを先取。

 第2セットでも大坂が角度のついたショットでコートを広角に使って相手を大きく揺さぶり、第3ゲームでブレークを獲得してリードを奪う。大坂がブレークポイントを握った第5ゲームの途中で雨が降り出したため試合は約1時間半にわたって中断。再開後すぐにブレークに成功した大坂は、以降も落ち着いた試合運びで相手に流れを渡さず、1時間11分で勝利を収めた。
 
 大坂がクレーの大会でトップ20の選手に勝ったのはこれが初めて。試合後のインタビューで26歳の元女王は「試合が再開された時はかなり緊張していた」と振り返りつつ、次のように喜びを語った。

「とても良いプレーができた。非常に明確なプランを持ってコートに出たけど、そのプランを完璧に実行できたと思う。(中断前に獲得した)ブレークポイントを確実に生かしたいと思っていて、その通りにできたこともうれしい。クレーでこのような(強い相手との)試合に勝つのは私にとって初めてのことだから、自分のパフォーマンスにとても満足しているわ。全体的に見て、自分に評価を付けるとしたら、前回の試合から今日の試合まで多くの進歩があったと言えるかな」

 最後には課題のクレーでのプレー改善に向け、今後のさらなる目標を口にした。

「2017年の全仏オープンで(強打が持ち味の)オスタペンコ(ラトビア/10位)が優勝したから、自分の信念を貫くべきだと思うことはある。でも正直に言うと、私はボールを強打しようとはあまり思っていない。それは流れの中で自然に起こるようなものだから。私自身はショットにもっと回転をかけたい。それができたら打つボールにもかなりの重みが出ると思う。クレーに適応したテニスをしたい」

 3回戦では第10シードのダリア・カサキナ(ロシア/11位)と対戦する大坂。次戦も奮闘を期待したい。

文●中村光佑

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