5月26日から開催される今季2つ目のテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート)は現地14日に男子シングルスの本戦ワイルドカード(WC/主催者推薦)獲得選手を発表。その中に今季限りでの現役引退を表明している元世界ランク3位のドミニク・ティーム(オーストリア/現117位)の名前はなかった。これにより同大会で2度準優勝しているティームは予選から参戦することが濃厚となった。
2011年にプロ転向して以降、力強いストロークを軸とした攻撃的なテニスで活躍してきた30歳のティーム。中でもクレーコートを得意とし、全仏オープンでは18年と19年に決勝に進出した実績を持つ。しかしいずれも赤土の王者ラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現305位)に敗れ、ローランギャロスでのタイトル獲得にはあと一歩届かなかった。
そんなティームも近年は手首のケガに悩まされており、ここ最近は出場大会でも結果を出せない日々が続いていた。「引退も近いのではないか」と囁かれる中、先日自身のSNSに投稿したビデオメッセージにて「2024年が最後のシーズンになる」と正式に発表。だからこそ、現状のランキングでは本戦ダイレクトインできないティームに全仏側がWCを出すことを多くのファンが期待していた。
しかし今回発表されたWC選手リストの中には無情にもティームの名前はなし...。その内訳は以下の通りである。
アレクサンドル・ミュレール(フランス/109位/27歳)
アダム・ウォルトン(オーストラリア/111位/25歳)
リシャール・ガスケ(フランス/元7位/現113位/37歳)
ジョバンニ・ムペシ・ペリカール(フランス/123位/20歳)
アロルド・マヨ(フランス/130位/22歳)
ニコラス・モレノ・デ・アルボラン(アメリカ/136位/26歳)
テレンス・アトマネ(フランス/137位/22歳)
ピエール-ユーグ・エルベール(フランス/元36位/140位/33歳)
8人中5人がフランス人選手で、ガスケとエルベール以外は全員20代のプレーヤーである。全仏側としてはできるだけ地元勢かつ年齢が若い選手にWCを付与したいという考えがあったのかもしれない。また現状ティームは本戦の補欠5番手となっているため、欠場者が一定数出れば本戦に繰り上がることとなるが、それは蓋を開けて見なければわからない。
もう1人忘れてはならないのが、20年の全仏で四大大会初の4強入りを達成したディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/142位/31歳)だ。ティーム同様極度の不振を理由に、25年の母国の大会でツアーを去ることを表明した彼もWC獲得は叶わず、現状では予選から出場する見込みとなっている。ティームとシュワルツマンのローランギャロスでの“最後の雄姿”が見られるよう、2人が共に本戦に進めることを祈るばかりだ。
文●中村光佑
【PHOTO】強じんな下半身でパワーを生み出す、D・ティームのサービス連続写真
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【関連記事】不振が続く“小さな巨人”シュワルツマンが2025年での引退を表明!「最後の一滴まで汗を流し続ける」<SMASH>
2011年にプロ転向して以降、力強いストロークを軸とした攻撃的なテニスで活躍してきた30歳のティーム。中でもクレーコートを得意とし、全仏オープンでは18年と19年に決勝に進出した実績を持つ。しかしいずれも赤土の王者ラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現305位)に敗れ、ローランギャロスでのタイトル獲得にはあと一歩届かなかった。
そんなティームも近年は手首のケガに悩まされており、ここ最近は出場大会でも結果を出せない日々が続いていた。「引退も近いのではないか」と囁かれる中、先日自身のSNSに投稿したビデオメッセージにて「2024年が最後のシーズンになる」と正式に発表。だからこそ、現状のランキングでは本戦ダイレクトインできないティームに全仏側がWCを出すことを多くのファンが期待していた。
しかし今回発表されたWC選手リストの中には無情にもティームの名前はなし...。その内訳は以下の通りである。
アレクサンドル・ミュレール(フランス/109位/27歳)
アダム・ウォルトン(オーストラリア/111位/25歳)
リシャール・ガスケ(フランス/元7位/現113位/37歳)
ジョバンニ・ムペシ・ペリカール(フランス/123位/20歳)
アロルド・マヨ(フランス/130位/22歳)
ニコラス・モレノ・デ・アルボラン(アメリカ/136位/26歳)
テレンス・アトマネ(フランス/137位/22歳)
ピエール-ユーグ・エルベール(フランス/元36位/140位/33歳)
8人中5人がフランス人選手で、ガスケとエルベール以外は全員20代のプレーヤーである。全仏側としてはできるだけ地元勢かつ年齢が若い選手にWCを付与したいという考えがあったのかもしれない。また現状ティームは本戦の補欠5番手となっているため、欠場者が一定数出れば本戦に繰り上がることとなるが、それは蓋を開けて見なければわからない。
もう1人忘れてはならないのが、20年の全仏で四大大会初の4強入りを達成したディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/142位/31歳)だ。ティーム同様極度の不振を理由に、25年の母国の大会でツアーを去ることを表明した彼もWC獲得は叶わず、現状では予選から出場する見込みとなっている。ティームとシュワルツマンのローランギャロスでの“最後の雄姿”が見られるよう、2人が共に本戦に進めることを祈るばかりだ。
文●中村光佑
【PHOTO】強じんな下半身でパワーを生み出す、D・ティームのサービス連続写真
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