現在開催中のテニス四大大会「全仏オープン」は現地5月29日に女子シングルス2回戦が行なわれ、産休を経てカムバックを遂げた元世界ランク1位の大坂なおみ(現134位)がセンターコート第3試合に登場。大会3連覇を目指すイガ・シフィオンテク(ポーランド/同1位)を極限まで追い詰めるも6-7 (1)、6-1、5-7で敗れ、惜しくも3回戦進出を逃した。
まるで決勝戦かと見紛うような壮絶な打ち合いだった。年明けの復帰から試合を重ねるごとに調子を上げ、苦手なクレーシーズンに入ってからも質の高いパフォーマンスを見せてきた大坂。そうは言っても全仏で無類の強さを誇る現女王に勝利目前まで迫ると思っていたファンは多くなかったはずだ。
試合は立ち上がりからスリリングな攻防が繰り広げられる。第1ゲームで3度のブレークポイントを凌いだ大坂だったが、第3ゲームでシフィオンテクの精度の高いリターンに対応できずサービスダウン。それでも以降はしっかりと食らいついていき、第8ゲームではシフィオンテクが立て続けにミスを犯したことでブレークバックのチャンスをつかむ。
これを生かした大坂は5-4で迎えた相手サービスでセットポイントを取得。しかしここはシフィオンテクの粘りのプレーに阻まれて取り切れず、そのままタイブレークへと突入する。ここでの大坂は4ポイント連取を許すなど相手に主導権を握られ、接戦の末に第1セットを落とした。
第2セットは展開が一転。大坂が持ち前の力強いショットで押し、第1ゲームから4ゲームを連取。相手に1ゲームしか与えない完璧なプレーを披露し、32分でセットオールに持ち込む。
運命のファイナルセットでは大坂が第1ゲームで3本のブレークポイントを握られるも攻めのプレーを貫いてセーブ。これで流れをつかんで先にブレークに成功した大坂は以降もキープを継続し、サービング・フォー・ザ・マッチとなった第9ゲームではマッチポイントを迎えた。
だがあと1本が遠かった。勝利が見えたことで硬さが出たのか、立て続けにミスを犯してブレークバックを許した大坂。第11ゲームでは自身のダブルフォールトも絡んで痛恨のサービスダウンを喫し、そのまま2時間57分で無念の敗退となった。
「これまでのキャリアの中で最も楽しい試合だった。信じられないほど良い雰囲気を感じられて、とても思い出に残る試合になった」
会見でそう激闘を振り返った大坂だが、金星を逃した悔しさから「コートを去る時には泣いてしまった」と言う。それでも絶対女王と称されるシフィオンテクを相手に、結果を出せず苦しんできた赤土のサーフェスで互角に戦えたことを誇りに思っている。
「最悪の状況とかではないし、今はもう(気持ち的に)大丈夫よ。もっとひどい気分になったこともあるから。昨年は妊娠中にイガがこの大会で優勝する姿を見て、彼女と対戦することが夢だった。彼女が得意とするクレーでいいプレーができた。今度は私の得意なハードコートで彼女と対戦したいわ」
結果こそ残念だったが、大坂がトップの位置に戻る日はそう遠くないだろう。今大会でのプレーを今後の自信につなげてほしい。
文●中村光佑
【動画】全仏オープン2回戦、大坂なおみ対シフィオンテクの激闘ハイライト
【PHOTO】シフィオンテク、大坂なおみら全仏オープン2024で奮闘する女子選手たち
【PHOTO】2年4カ月ぶりに4大大会で勝利!全仏オープン1回戦での大坂なおみを厳選ショットで紹介
まるで決勝戦かと見紛うような壮絶な打ち合いだった。年明けの復帰から試合を重ねるごとに調子を上げ、苦手なクレーシーズンに入ってからも質の高いパフォーマンスを見せてきた大坂。そうは言っても全仏で無類の強さを誇る現女王に勝利目前まで迫ると思っていたファンは多くなかったはずだ。
試合は立ち上がりからスリリングな攻防が繰り広げられる。第1ゲームで3度のブレークポイントを凌いだ大坂だったが、第3ゲームでシフィオンテクの精度の高いリターンに対応できずサービスダウン。それでも以降はしっかりと食らいついていき、第8ゲームではシフィオンテクが立て続けにミスを犯したことでブレークバックのチャンスをつかむ。
これを生かした大坂は5-4で迎えた相手サービスでセットポイントを取得。しかしここはシフィオンテクの粘りのプレーに阻まれて取り切れず、そのままタイブレークへと突入する。ここでの大坂は4ポイント連取を許すなど相手に主導権を握られ、接戦の末に第1セットを落とした。
第2セットは展開が一転。大坂が持ち前の力強いショットで押し、第1ゲームから4ゲームを連取。相手に1ゲームしか与えない完璧なプレーを披露し、32分でセットオールに持ち込む。
運命のファイナルセットでは大坂が第1ゲームで3本のブレークポイントを握られるも攻めのプレーを貫いてセーブ。これで流れをつかんで先にブレークに成功した大坂は以降もキープを継続し、サービング・フォー・ザ・マッチとなった第9ゲームではマッチポイントを迎えた。
だがあと1本が遠かった。勝利が見えたことで硬さが出たのか、立て続けにミスを犯してブレークバックを許した大坂。第11ゲームでは自身のダブルフォールトも絡んで痛恨のサービスダウンを喫し、そのまま2時間57分で無念の敗退となった。
「これまでのキャリアの中で最も楽しい試合だった。信じられないほど良い雰囲気を感じられて、とても思い出に残る試合になった」
会見でそう激闘を振り返った大坂だが、金星を逃した悔しさから「コートを去る時には泣いてしまった」と言う。それでも絶対女王と称されるシフィオンテクを相手に、結果を出せず苦しんできた赤土のサーフェスで互角に戦えたことを誇りに思っている。
「最悪の状況とかではないし、今はもう(気持ち的に)大丈夫よ。もっとひどい気分になったこともあるから。昨年は妊娠中にイガがこの大会で優勝する姿を見て、彼女と対戦することが夢だった。彼女が得意とするクレーでいいプレーができた。今度は私の得意なハードコートで彼女と対戦したいわ」
結果こそ残念だったが、大坂がトップの位置に戻る日はそう遠くないだろう。今大会でのプレーを今後の自信につなげてほしい。
文●中村光佑
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