海外テニス

世界3位サバレンカがパリ五輪の出場辞退を表明。「健康に気を遣うことにした」とツアーの超過密スケジュールを回避<SMASH>

中村光佑

2024.06.18

テニスツアーの「スケジュールが厳しすぎる」ことを理由にパリ五輪を欠場するサバレンカ。北米ハードコートシーズンに向けては「しっかり準備もしたい」と意欲を示した。(C)Getty Images

 今週行なわれている女子テニスツアー「エコトランス・女子オープン」(6月17日~23日/ドイツ・ベルリン/芝コート/WTA500)に出場する世界ランク3位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)が、大会開幕前の記者会見で今夏のパリ五輪に出場しない意向を表明した。

 1992年のバルセロナ大会以来32年ぶりにクレーコートで開催されるパリ五輪のテニス競技。これにより、今季は例年にはない芝からクレーという変則的なサーフェス移行が待ち受けており、五輪終了後には、休む間もなく北米ハードコートシーズンを戦う超過密スケジュールを強いられることとなる。

 女子の北米ハードコートシーズンは、例年通りトロントとシンシナティの2つのWTA1000大会を立て続けにこなした後、今季最後の四大大会「全米オープン」(8月26日~9月8日/アメリカ・ニューヨーク)を迎えるという流れだが、それに先駆けてパリ五輪をプレーするのであれば、やはり負担増大は避けられないだろう。

 先日の「全仏オープン」(フランス・パリ/クレー/四大大会)でベスト8に進出するも、胃の調子が悪かった中でプレーした準々決勝では、17歳のミラ・アンドレーワ(ロシア/現23位)に逆転で敗れたサバレンカ。その時のことを振り返りながら「コート上で味わった最悪の経験だった」と口にした26歳は改めてこう続けた。
 
「病気やケガを抱えながらプレーしたことはあるけど、胃腸炎でプレーする気力もない中で四大大会の準々決勝を戦わなければならなかったのは、本当にひどい経験だった。でもそれが現実。身体が休息を求めていたのだと思う」

 ここ数カ月にわたって「色々と苦労した」というサバレンカは、パリ五輪の出場辞退を決めた経緯について「スケジュールが厳しすぎるから、健康に気を遣うことにした」とコメント。「北米ハードコート(シーズン)に向けて体力的にも健康的にも準備が整うように、少し休養を取りたいし、しっかり準備もしたい。その方が安全で、自分の身体にとっても良いと思う」と説明した。

 今週の「エコトランス・女子オープン」で芝シーズンをスタートするサバレンカ。初戦となる2回戦では世界14位のダリア・カサキナ(ロシア)と対戦する。コンディションは少々気になるところだが、どんなプレーを見せてくれるのか注目だ。

文●中村光佑

【動画】サバレンカVSアンドレーワの「全仏オープン」準々決勝ハイライト

【画像】全仏オープン2024で奮闘するサバレンカら女子選手たちをピックアップ

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