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海外テニス

アウトボールに電子コールが機能せず…リプレー判定にフリッツが猛抗議!「アウトなら自分にポイントが与えられるべきだ」<SMASH>

中村光佑

2024.08.15

不可解な判定に納得がいかなかったフリッツ。ホークアイのCG映像ではアウトのボールが電子コールされず、主審はリプレーを指示した。(C)Getty Images

不可解な判定に納得がいかなかったフリッツ。ホークアイのCG映像ではアウトのボールが電子コールされず、主審はリプレーを指示した。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「シンシナティ・オープン」(8月12日~19日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート/ATP1000)で初戦敗退を喫した世界12位のテイラー・フリッツ(アメリカ)が自身の公式X(@Taylor_Fritz97)を更新し、試合中の不可解な判定をめぐる主審の主張に対して不満をあらわにした。

 電子判定が導入されている今大会、第11シードで出場したフリッツは現地13日の1回戦で同胞のブランドン・ナカシマ(49位)と対戦。問題のシーンが起こったのは4-6、3-2で迎えた第2セット第6ゲームだった。

 30-30の緊迫した場面で繰り広げられたラリー戦でナカシマの打ったフォアハンドはベースラインを越えたように見えたが、電子判定ではアウトのコールはされず。フリッツが不審そうに打ち返すとラリーは続き、しばらくして主審がようやくストップをかけ、機械に不具合があったことをアナウンスした。ちなみにこの時のホークアイのCG映像では、実際にナカシマのフォアははっきりとアウトしていた。

 ところが主審が下した判定はリプレー・ザ・ポイント(ポイントのやり直し)。その理由として主審はフリッツが「ラリーをすぐに止めなかった」と説明した。当然フリッツはこれに納得がいかず、「アウトだったなら自分にポイントが与えられるべきだ」と猛抗議。だが結局判定は覆らず、当初の宣告通りポイントはやり直しとなった。

 そのポイントでフリッツはドライブボレーを決め、ブレークポイントを獲得。このチャンスは生かせなかったが、終盤の第10ゲームでブレークを果たしてセットオールに持ち込む。しかしファイナルセットはタイブレークを落とし、4-6、6-4、6-7(4)で初戦敗退となった。
 
 試合後に更新したXでフリッツは、テニスストリーミングサイト『Tennis TV』(@Tennis TV)が公開した問題のシーンの動画をリポスト(引用)し、主審への不満を込めてこう綴った。

「文字通りホークアイでの電子判定が導入されているのに、自分でポイントを止める必要があると言われることを想像してみてください」

 一方でフリッツはこの不可解な判定が勝敗に影響したとは考えていない。同投稿には「やり直しのポイントを取れたことを考えると、その判定が試合内容に何らかの変化を与えたとは思っていません。これを言い訳だとは捉えないでください。ただ非常識な判定を指摘しているだけです」と追記し、潔く負けを認めている。

 この投稿には数人の選手仲間からも賛意を示すリプライが寄せられている。ダニール・メドベージェフ(ロシア/5位)は「馬鹿げた判定だ。ボールはアウトでポイントは終了、ポイントはフリッツ。なぜそうならなかったのか?」とコメント。同郷のフランシス・ティアフォー(27位)はATPへの皮肉を含める形で「先週俺にも同じようなことが起こった。この問題は解決しなきゃね。ATPさん、もっと頑張ってよ」と記した。

 機械の不具合だったのなら、なぜフリッツのポイントにならなかったのかは確かに不可解だ。再発防止に取り組むべきだろう。

文●中村光佑

【動画】問題の判定のシーンを引用し、不満を綴ったフリッツのX投稿

【画像】パリオリンピック・パラリンピックのテニス競技のメダリストたち

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