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海外テニス

フェデラーを育て上げた元コーチが59歳の若さで死去。テニス界に悲しみが広がる<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.08.24

2003年ウインブルドンで四大大会初優勝を遂げたフェデラー(左)と共に、トロフィーを掲げて喜ぶルンドグレン・コーチ。59歳で帰らぬ人となった。(C)Getty Images

2003年ウインブルドンで四大大会初優勝を遂げたフェデラー(左)と共に、トロフィーを掲げて喜ぶルンドグレン・コーチ。59歳で帰らぬ人となった。(C)Getty Images

 テニス界に悲しいニュースが飛び込んできた。ロジャー・フェデラー(スイス/世界ランク最高1位)の元コーチで、自身もプロ選手として世界25位にランクされたピーター・ルンドグレン氏(スウェーデン)が、59歳の若さで亡くなった。彼の息子と娘が8月23日にSNSを通して公表した。

 1965年生まれのルンドグレン氏は、83年にプロ転向し、89年にはウインブルドンで4回戦に進出。キャリアを通してシングルス、ダブルスでそれぞれ3度のツアー優勝を飾り、95年に30歳で引退後、コーチに転身した。

 そしてスイステニス連盟の下でジュニアの指導に携わっていた時に、16歳だったフェデラーに出会う。フェデラーがジュニアのトップからプロになると、00年にルンドグレン氏はプライベートコーチに就任。当時50位前後だったフェデラーを1年で20位以内に引き上げる手腕を発揮した。コーチ最終年となった03年には、念願のグランドスラム初優勝をウインブルドンで実現させ、世界2位までランクアップさせて、役目を終えた。

 ルンドグレン氏が指導したトップ選手は、フェデラー以外にも枚挙に暇がない。元1位のマルセロ・リオス(チリ)にマラット・サフィン(ロシア)、マルコス・バグダティス(キプロス/元8位)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/元3位)、スタン・ワウリンカ(スイス/元3位)、ダニエラ・ハンチュコワ(スロバキア/元5位)と、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。

 しかしここ数年は表舞台から姿を消していた。複数の海外メディアによると、ルンドグレン氏は糖尿病に苦しんでいたという。昨年10月には左足と左下肢を骨折し、感染症のため切断を余儀なくされた。「私の足首の骨折は、糖尿病のせいで治りませんでした。血行が悪くなるんです。でも今はまた元気になって、もうすぐリハビリが始まります」と本人がSNSで明かしていた。
 
 死因は公表されていないが、結局帰らぬ人となってしまったルンドグレン氏。多くのテニス関係者がSNSで追悼の言葉を寄せている。

 ルンドグレン氏と同郷で元世界2位のマグナス・ノーマン氏は「ご冥福をお祈りします。素晴らしい、温かくて前向きな人物であり、その上、魔法のようなコーチがあまりにも早く私たちのもとを去ってしまいました。とても悲しい日です」とコメント。

 元世界王者のボリス・ベッカー氏(ドイツ)は「テニス界にとって本当に悲しい日です。最高のコーチの1人、ピーター・ルンドグレン氏が亡くなりました…。彼の2人の子どもと家族にお悔やみ申し上げます」と、かつて4度対戦したことのある選手仲間の死を悼んだ。

 またスウェーデンの偉大な先駆者、四大大会11勝のビヨン・ボルグ氏は地元メディアのインタビューにこう答えている。「ルンドグレンは心が広く、ユーモアにあふれた素晴らしい人でした。彼は本当に良い友人であり、皆に愛されていました。テニス界では彼の不在が惜しまれるでしょう」

 早すぎる死は悼まれるが、病気の苦しみから解放されたルンドグレン氏には、安らかに眠ってほしいと願わずにはいられない。

構成●スマッシュ編集部

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