今年最後のグランドスラム(テニス四大大会)の「全米オープン」が佳境を迎えています。今年は賞金総額が過去最高となりました。割合も大きく変わっています。昔は上位選手に手厚かったのですが、今は1回戦敗退した選手の賞金額も大きくなっています。私のファーストキャリアの時は1回戦で120万円ぐらいでしたが、現在は約1470万円(1ドル147円で換算)です。
賞金額が上がるとモチベーションにもなりますし、プロ生活を継続しやすくなるので、辞める選手は少なくなるでしょう。だから本戦にストレートインできる、110位以内というランキングが、今まで以上に重要なラインになってきます。
今大会では、日比野菜緒選手と、柴原瑛菜選手が予選を突破しました。予選を戦う選手にとっても、より本戦に対するモチベーションは高くなると思います。
柴原選手は東京五輪まではダブルスメインでプレーをしていましたが、今回はシングルスで初のグランドスラム予選出場でタフな3試合を勝ち上がっての本戦出場です。予選突破は自信にもなりますし、ランキングが上がればツアーも回りやすくなります。そして、得た賞金でさらに体制を整えることができると良いですね。
私は現役時代、全米オープンとは相性が良くありませんでした。決定的だったのはファーストキャリアの引退の年です。最後のグランドスラムになるということで、両親が来ていて、兄も最後だからと双子の子どもを連れて初めて見に来てくれました。
全米オープン前週のサンディエゴの大会で優勝したため、日曜日までアメリカの西海岸にいました。大会側が決勝に残ったシングルスとダブルスの選手のために、プライベートジェットを用意してくれましたが、それでもニューヨークに着いたのは夜中です。
そして、翌朝に全米オープン1回戦の試合が入っていました。しかも相手は苦手だったキンバリー・ポー。最後のグランドスラムだと思って臨んだ大会で、なんと1回戦敗退です。サンディエゴで勝ち残っていたため、早めにニューヨークに入って家族と会うこともできず、到着したらすぐに負けて、あっという間に終わってしまいました(笑)。
当時はツアーカレンダーも今のように戦いやすいスケジューリングに整備されておらず、グランドスラム前週の大会も、月曜日に始まって日曜日終わりでした。アメリカの西海岸から東海岸への移動は結構きついですが、スケジュールに関しての配慮もなかったんです。年々、賞金の面だけではなく、大会会場もファシリティ(設備)なども含めて色々な面で昔よりも改善されてきていると感じます。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
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賞金額が上がるとモチベーションにもなりますし、プロ生活を継続しやすくなるので、辞める選手は少なくなるでしょう。だから本戦にストレートインできる、110位以内というランキングが、今まで以上に重要なラインになってきます。
今大会では、日比野菜緒選手と、柴原瑛菜選手が予選を突破しました。予選を戦う選手にとっても、より本戦に対するモチベーションは高くなると思います。
柴原選手は東京五輪まではダブルスメインでプレーをしていましたが、今回はシングルスで初のグランドスラム予選出場でタフな3試合を勝ち上がっての本戦出場です。予選突破は自信にもなりますし、ランキングが上がればツアーも回りやすくなります。そして、得た賞金でさらに体制を整えることができると良いですね。
私は現役時代、全米オープンとは相性が良くありませんでした。決定的だったのはファーストキャリアの引退の年です。最後のグランドスラムになるということで、両親が来ていて、兄も最後だからと双子の子どもを連れて初めて見に来てくれました。
全米オープン前週のサンディエゴの大会で優勝したため、日曜日までアメリカの西海岸にいました。大会側が決勝に残ったシングルスとダブルスの選手のために、プライベートジェットを用意してくれましたが、それでもニューヨークに着いたのは夜中です。
そして、翌朝に全米オープン1回戦の試合が入っていました。しかも相手は苦手だったキンバリー・ポー。最後のグランドスラムだと思って臨んだ大会で、なんと1回戦敗退です。サンディエゴで勝ち残っていたため、早めにニューヨークに入って家族と会うこともできず、到着したらすぐに負けて、あっという間に終わってしまいました(笑)。
当時はツアーカレンダーも今のように戦いやすいスケジューリングに整備されておらず、グランドスラム前週の大会も、月曜日に始まって日曜日終わりでした。アメリカの西海岸から東海岸への移動は結構きついですが、スケジュールに関しての配慮もなかったんです。年々、賞金の面だけではなく、大会会場もファシリティ(設備)なども含めて色々な面で昔よりも改善されてきていると感じます。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
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