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海外テニス

今季で引退示唆のナダルがパリ五輪を振り返る「良いプレーができたと思うけど、ドローが非常に不運だったね」<SMASH>

中村光佑

2024.09.03

パリ五輪では2回戦でジョコビッチに敗退したナダル。それでも出場できたことは良い思い出として残っているようだ。(C)Getty Images

パリ五輪では2回戦でジョコビッチに敗退したナダル。それでも出場できたことは良い思い出として残っているようだ。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」を欠場した元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現154位)が母国の人気テレビ番組『El Hormiguero』に出演。単複で出場した先のパリ五輪を振り返るとともに、現在の心境を語った。

 自身が14度もの優勝を誇る「全仏オープン」(クレー/四大大会)と同じ会場で開かれたパリ五輪で2大会ぶりのオリンピック出場を果たした38歳のナダル。シングルスではマートン・フチョビッチ(ハンガリー/現81位)との初戦をフルセットで突破すると、2回戦では長年共に男子ツアーを牽引してきたノバク・ジョコビッチ(セルビア/現2位)との60度目の対決が実現。後に悲願の金メダルを獲得した宿命のライバルを相手に粘りを見せたものの、1-6、4-6で完敗を喫した。

 一方、男子ダブルスには自身の“後継者”と称される同郷の若きヒーロー、カルロス・アルカラス(スペイン/現3位)とのペアで参戦。快進撃を見せてベスト8に進出したが、準々決勝ではアメリカのオースティン・クライチェク/ラジーブ・ラムに敗れ、最後の五輪に幕を下ろした。

 単複ともに思うような結果を残せなかったパリ五輪を総括し、「自分の優先事項だったオリンピックには良いレベルでプレーできたと思うけど、ドロー(組み合わせ)が非常に不運だったね」とナダル。それでも出場できたこと自体は貴重な思い出として胸に刻み込まれたようだ。開会式で聖火ランナーを務めたことの他、選手村での生活など、印象的な出来事が多々あったと明かした。
 
「オリンピックの聖火リレーでバトンを渡した瞬間はとても興奮した。キャリアを通じてパリが僕にしてくれた扱いに深い感謝の気持ちを抱いている。

 もしかしたら最初の数年間にパリで僕に起こった出来事(05年から08年の4連覇など)が印象に残っているかもしれないが、その後に築いた関係はとても特別で美しいものだった。選手村は他の大会ほど快適ではなかったけど、独特の感覚があったね」

 今季限りでの現役引退を示唆しているナダルは、コンディションがなかなか整わない現状を踏まえ、全米を含む北米ハードシリーズをスキップ。依然厳しい状況が続く中、最近はメディアの取材でも差し迫るキャリアの終焉について聞かれることが非常に多いという。

 しかしナダル本人は「僕の引退について何回も質問されるのは気に入らない」と少々食傷気味な様子。「引退の時期が明らかになった時に、僕の決断を伝えたい」と釘を刺すように語りつつ、現在も完全復活への一抹の望みとともにトレーニングを続けていることを明かした。

 現時点でナダルは9月20日から3日間にわたって開催される男子団体戦「レーバー・カップ」(ドイツ・ベルリン/ハード)に欧州選抜として出場予定。一部メディアではそこがキャリア最後の大会になるとの噂も流れていることもあり、今後のナダルの動向に注目が集まる。

文●中村光佑

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