2022年12月から男子国別対抗戦「デビスカップ（デ杯）」でスペイン代表の監督を務める元世界ランク３位のダビド・フェレール氏（42歳）が、海外ストリーミングプラットフォーム『DGO』がYouTubeに公開したテニス系ポッドキャスト「Sala de Jugadores」に出演。その中で11月19日に開幕するファイナルズ・ノックアウトステージ「ファイナル８」（スペイン・マラガ／ハード）からチームに加わるラファエル・ナダル（元１位／現158位）に対し、期待の言葉を送った。

　今夏のパリ五輪に単複で出場して以降はツアーでプレーしていない38歳のナダルは、参戦予定だった９月下旬の男子団体戦「レーバーカップ」も出場を辞退。ただし健康面は特に問題はないようで、「新たなケガを負ったわけではないし、メンタル面も大丈夫」と説明していた。

　度重なる故障を理由に今季限りでの引退を示唆しているナダルだが、現状それが具体的にいつになるのかはまだ明らかにしていない。そのことを考慮してか、フェレール氏は９月中旬のグループステージでスペインがファイナル８進出を決めた直後に、ナダルをチームに招集すると正式に発表。今回の動画でフェレール氏はナダルの近況を踏まえつつ、期待の言葉をこう口にした。

「ラファが実直な人物であり、コートに立てば100%の力を発揮することはわかっている。彼の試合での能力は理解しているが、問題は彼がフィジカル面で長時間そのレベルを維持できないことだ。それでも、１試合プレーすると彼は無敵の選手になり得る。彼のような選手に対してもうダメだと諦めることがあってはならない」
  「実は彼はグループステージが始まる前に私に電話をかけてきたんだ。彼がチームのみんなと一緒に過ごすことをとても楽しみにしているという事実を考えると、彼を代表に迎え入れるのは完璧なことだと思う」

　なおファイナル８でスペインはオランダと対戦することが決まっており、計画通りいけばカルロス・アルカラス（２位）がタロン・フリークスポール（40位）と、ナダルがボティック・ファンデザンツフープ（67位）と顔を合わせることとなる。

　ドローが発表された直後にナダルへメッセージを送ったフェレール氏は、「正しい練習を重ねられれば、彼はシングルスでプレーするだろう」と語る。その理由をこう明かしている。「私は彼にファンデザンツフープとの対戦に向けて準備するように言ったんだ。その時の彼の反応は『準備はできているよ』というはっきりしたものだったよ」

　とはいえ試合勘が不足しているであろうナダルの現状にはフェレール氏も少々不安を抱いている様子。「彼は今月サウジアラビアのエキジビション「シックス・キングス・スラム」（10月16日～19日／ハード）に出場する予定だが、代表チームに加わる前に別の大会にも出場してほしい。それについては数週間以内に彼と話し合うつもりだ」と語る。ひとまずは今後の動向を見守っていきたい。

文●中村光佑

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