男子テニスツアー「ロレックス上海マスターズ」(10月2日~13日/中国・上海/ハード/ATP1000)は大会最終日の現地13日にシングルス決勝を実施。第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)が第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/同4位)を7-6(4)、6-3で下し、同大会初優勝並びに今季ツアー7勝目を飾った。
9月の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハード)で四大大会2勝目を飾った23歳のシナー。アジアシリーズに入ってからも好調を維持しており、前週の「中国オープン」(中国・北京/ハード/ATP500)では準優勝。今大会も失セット数を1に抑えて決勝へ駒を進めたことに加え、男女を通じてイタリア人選手初となる年間1位も確定させた。
決勝では今夏のパリ五輪で悲願の金メダルを獲得した37歳のジョコビッチと対戦。両者が顔を合わせるのはこれが8度目で、今大会までは3勝4敗とシナーが僅差で負け越していた。だが今年1月の全豪オープン準決勝を含め直近4戦はシナーが3勝1敗としており、ジョコビッチへの苦手意識といったものは特にない様子だ。
今回は序盤から互いに譲らないキープ合戦に。ストローク戦ではコースを散らされながらもシナーが冷静なプレーを継続し、時折ジョコビッチのフォアハンド側に厳しいショットを打ち込むなどしてポイントを重ねていく。両者ブレークがないまま突入したタイブレークではシナーが4連続ポイントを奪い主導権を掌握。そして3-5とした9ポイント目でジョコビッチのボレーミスを誘い、そのまま第1セットを先取した。
第2セットもプレーの質を落とさなかったシナー。第4ゲームで2本のブレークポイントを握ると、1本は凌がれるも最後は強烈なフォアのカウンターでウイナーを決めて先行。自身のサービスゲームでは、試合を通して相手に1度もブレークポイントを与えず、1時間37分で勝利を収めた。
2018年のラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現158位)以来、1シーズンだけで四大大会に次ぐマスターズにて3つのタイトルを獲得するという6年ぶりの快挙を達成したシナーは、勝利者インタビューで試合内容を振り返りつつ、次のように喜びを語った。
「非常に厳しい試合だった。明らかに、ノバク(ジョコビッチ)との対戦は我々にとって最も厳しい挑戦の一つだ。そういう状況にうまく対処できたことをうれしく思う。第1セットは彼のサービスが素晴らしかったから、ブレークする術を見出せなかった。それでもタイブレークでは本当に良いプレーができて、第2セットで良いスタートを切るための自信がついた」
「ノバクには弱点がないから、勝てた秘訣みたいなものを話すのは難しい。彼が与えてくれるわずかなチャンスを生かさなければならない。彼は我々のスポーツのレジェンドで、対戦するのは非常にタフだから、勝ててとてもうれしいよ」
一方敗れたジョコビッチはジミー・コナーズ(アメリカ/元1位)とロジャー・フェデラー(スイス/元1位)に次ぐ節目のツアー100勝とはならず。また過去4勝0敗と負けなしだった上海オープン決勝で初黒星を喫した形となった。
文●中村光佑
【動画】シナー対ジョコビッチの「ロレックス上海マスターズ」決勝ハイライト
【関連記事】シナーとアルカラスの"友好的すぎる"ライバル関係にマリーの元コーチが不満!「あまり親密になりすぎてほしくない」<SMASH>
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9月の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハード)で四大大会2勝目を飾った23歳のシナー。アジアシリーズに入ってからも好調を維持しており、前週の「中国オープン」(中国・北京/ハード/ATP500)では準優勝。今大会も失セット数を1に抑えて決勝へ駒を進めたことに加え、男女を通じてイタリア人選手初となる年間1位も確定させた。
決勝では今夏のパリ五輪で悲願の金メダルを獲得した37歳のジョコビッチと対戦。両者が顔を合わせるのはこれが8度目で、今大会までは3勝4敗とシナーが僅差で負け越していた。だが今年1月の全豪オープン準決勝を含め直近4戦はシナーが3勝1敗としており、ジョコビッチへの苦手意識といったものは特にない様子だ。
今回は序盤から互いに譲らないキープ合戦に。ストローク戦ではコースを散らされながらもシナーが冷静なプレーを継続し、時折ジョコビッチのフォアハンド側に厳しいショットを打ち込むなどしてポイントを重ねていく。両者ブレークがないまま突入したタイブレークではシナーが4連続ポイントを奪い主導権を掌握。そして3-5とした9ポイント目でジョコビッチのボレーミスを誘い、そのまま第1セットを先取した。
第2セットもプレーの質を落とさなかったシナー。第4ゲームで2本のブレークポイントを握ると、1本は凌がれるも最後は強烈なフォアのカウンターでウイナーを決めて先行。自身のサービスゲームでは、試合を通して相手に1度もブレークポイントを与えず、1時間37分で勝利を収めた。
2018年のラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現158位)以来、1シーズンだけで四大大会に次ぐマスターズにて3つのタイトルを獲得するという6年ぶりの快挙を達成したシナーは、勝利者インタビューで試合内容を振り返りつつ、次のように喜びを語った。
「非常に厳しい試合だった。明らかに、ノバク(ジョコビッチ)との対戦は我々にとって最も厳しい挑戦の一つだ。そういう状況にうまく対処できたことをうれしく思う。第1セットは彼のサービスが素晴らしかったから、ブレークする術を見出せなかった。それでもタイブレークでは本当に良いプレーができて、第2セットで良いスタートを切るための自信がついた」
「ノバクには弱点がないから、勝てた秘訣みたいなものを話すのは難しい。彼が与えてくれるわずかなチャンスを生かさなければならない。彼は我々のスポーツのレジェンドで、対戦するのは非常にタフだから、勝ててとてもうれしいよ」
一方敗れたジョコビッチはジミー・コナーズ(アメリカ/元1位)とロジャー・フェデラー(スイス/元1位)に次ぐ節目のツアー100勝とはならず。また過去4勝0敗と負けなしだった上海オープン決勝で初黒星を喫した形となった。
文●中村光佑
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