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【1日3分間のメンタル強化法 第19回】武士道精神から学ぶ!フェアプレーの“本当の意味”を理解しよう<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.10.14

武士道精神を持って気持ち良くプレーしよう。写真は2023年度のATPアワードでスポーツマンシップ賞を受賞したアルカラス。(C)Getty Images

 テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

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「志」という字は、武士の心と読めます。あなたはサムライから何を連想しますか? 当時の武士たちの使命は、社会の平安と秩序を守り「庶民の規範」となるように生きることでした。

 さて、テニスの試合での話です。見応えのあるラリーが続き、ナイスゲームが展開されています。熱戦が繰り広げられている時、際どいけれどインのボールを相手選手が「アウト!」のコール。あなたは瞬間的に、「えっ? 今のはインでしょう」と反応しました。一瞬にしてコート内に不穏な空気が流れます。
 
 逆にわずかにアウトしているボールに対して、相手の懸命なプレーに共感して思わずインのジャッジをする選手もいます。これらは両方ともセルフジャジの罪です。開会式の選手宣誓でよく聞く言葉に、「私たちはスポーツマンシップに則り、正々堂々と戦うことを誓います」があります。これはルールを守り、相手選手に敬意を払い、関わった人たちに感謝の意を表し、日頃の成果を出すことだと理解できます。

 そこで今回は武士道精神からフェアプレーを考えてみたいと思います。岩手県出身の新渡戸稲造著「武士道~いま、立つべき"日本の精神"」は17 章から構成されています。武士道精神を私流に4つ要約すると、次のようになります。

①卑怯者になるな:人として守るべき正しい道を歩み、恥ずべき行為はするな。

②臆病者になるな:見て見ぬふりをしてはならない。

③嘘をつくな:人に対するよりも自分に嘘をつかないことが大事。

④惻そく隠いんの情を持て:人に対しては優しさと思いやりの心を持つ。

 私たちはテニスから「ルールを守ること、勇気を出すこと、嘘をつかないこと、相手を思いやること」を学べます。フェアプレーとは、正々堂々とした試合態度・公明正大な行動のことなのです。武士道精神に則って気持ち良くプレーしてください。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2021年10月号から抜粋・再編集

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