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【大学王座/女子】関大が激闘の末に早大を破り5年ぶりの決勝へ! 筑波大は快勝で連覇に王手<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2024.11.04

左上=準決勝に勝利した関大チーム。右上=関大の勝利を決めたエースの山口。左下=早大チーム。右下=単複で勝利した早大の金子。写真:滝川敏之

 大学日本一を決める団体戦「男子第78回/女子第60回 全日本大学対抗テニス王座決定試合」は11月3日、東京・有明テニスの森公園で男女準決勝が行なわれた。ダブルス2本+シングルス3本の計5本で争われる女子。準決勝は関東対関西の戦いとなり、第3シードの関西大学が第1シードの早稲田大学を3-2で破る殊勲。もう一方は第2シードの筑波大学が第4シードの甲南大学を3-0で退け、決勝へと駒を進めた。

 早大対関大の戦いは熾烈を極めた。関大は今年のインカレ女王、山口花音を擁するが、早大にはダブルスのインカレ優勝&準優勝ペアがいる。そのダブルスで早大はペアを崩して臨み、D1の齋藤優寧/平田葵は山口/山本未来にストレートで敗れる。D2は早大の金子さら紗/田邑来未が取って1勝1敗。関大の山本哲弘統括コーチは「D1が大きな1勝だった」と言う。

 早大としてはシングルスで下位2本を取りたい情勢となったが、思惑通りには行かない。S2金子さら紗はストレートで勝利するも、S3齋藤優寧は第1セットを奪い、第2セットも勝利間近に迫りながら勝ち切れない。関大の高山揺が粘り強いテニスで齋藤のミスを引き出し、フルセットで逆転勝利。全てがS1にかかった。
 
 こうなると流れは山口が控える関大だ。山口は緩急を駆使して早大の宮田萌芳を崩し、逃げてきたロブは再三ドライブボレーで仕留めるなど、頭脳的なプレーで優位を築く。宮田も精一杯の攻めで第2セットを奪ったが、最後は山口が6-0で突き放し、関大の決勝進出を決めた。

「高山が逆転でチームに流れを持ってきてくれた。山口も簡単ではない相手に攻め切って勝ったのは次につながる」と山本コーチ。5年ぶりの決勝は、奇しくも前回惜敗した筑波大が相手だ。「5年前の負けは記憶に残っている。今度は競ったところで攻めていく」と悲願の初優勝へ向け雪辱を誓っていた。

 その筑波大は、甲南大との準決勝を完勝でクリアした。ダブルス2試合をストレート勝ちすると、シングルスでもS3西尾萌々子が圧勝して3勝目。S2は1セットオールと競り合っていたが打ち切りとなり、エース吉本菜月も温存したまま対戦を終えた。

 筑波大は昨年の優勝校だが、今回は準々決勝で鹿屋体育大学に苦戦を強いられた。三橋大輔監督は「鹿屋戦に比べ、今日は部員たちが自ら考え、戦う準備や姿勢を改善していた。結果よりもそれがうれしい」と語る。連覇に向けて筑波大が加速し始めた。
 
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女子準決勝「関大対早大」「筑波大対甲南大」の完全記録