専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

31歳のダニエル太郎、9年ぶりに兵庫CHで4強入り!「成長し続ける姿勢が、自分で自分を尊敬できるところかな」<SMASH>

内田暁

2024.11.16

今季好調のダニエル太郎は準々決勝で盟友ともいる内山靖崇に勝利して9年ぶりに「兵庫ノアチャレンジャー」のベスト4入りを決めた。写真提供=兵庫ノアチャレンジャー

今季好調のダニエル太郎は準々決勝で盟友ともいる内山靖崇に勝利して9年ぶりに「兵庫ノアチャレンジャー」のベスト4入りを決めた。写真提供=兵庫ノアチャレンジャー

 ダニエル太郎が、この男子テニス国際大会「兵庫ノアチャレンジャー」(11月11日~17日/兵庫・ブルボンビーンズドーム/ハードコート/CH100)でベスト4以上に勝ち進むのは、9年ぶりのことである。

 2015年――当時22歳のダニエルは、世界の119位で兵庫入り。初戦で吉備雄也に勝利し、その後もトップ100経験者のベテランたちを退ける。決勝ではジョン・ミルマンに敗れたが、トップ100入りへの大きな足掛かりとした。

 それから9年が経ち、31歳となったダニエルが今大会の準々決勝で当たったのは、内山靖崇。生まれ年では内山が1年早いが、“学年”的には同期。「小学校の頃から知る」仲であり、幾度も練習をともにしてきた盟友的存在だ。

 ダニエルは内山を、「爆発力のある選手」であり、「良い時はポジションを上げ、どんどん前に出てボレーもしてくる」と警戒する。ただ今回の対戦では、内山が前に出てくる機会は、ほとんどなかった。その要因はダニエル曰く、この日のコンディションにもあったという。

「今日は結構湿気があったので、ボールがいつもよりフサフサして遅いコンディションだった。ネットに行くのが難しいなかで、内山くんもしっかり後ろから打つことを重視したと思う」
 
 その状況を把握し、相手の心理も見極め、そして自分のやるべきプレーをはじき出す。

「高く打つとか、低いボールを使ったり。ちゃんと目的があるショットじゃないと、すぐ叩かれてしまう。相手に何をやらせるためのショットかという工夫が、けっこう大事。特に、ボールがそんなに飛ばない環境だと、それがやりやすいところもある」

 この日の内山は前に出るのを躊躇しているようにも見えたが、それはコートやボールのコンディションと、ダニエルの策にあった。ダニエルの圧勝にも見える6-3,6-4のスコアの打ち分けは、ダニエル曰く「本当に少しのところで、流れが変わった可能性があった」という接戦でもあった。

 今季のダニエルは、1月時点でキャリア最高位の58位に達し、ATPツアーを主戦場に戦ってきた。ただ高いレベルに身を置けば、当然ながら大会序盤での敗戦も増える。シーズン終盤に来てランキングも落ちた中で、来季の100位以内を確定させるべくチャレンジャーにも出場した。すると3週間前の台湾チャレンジャーでは優勝し、翌週のソウルでは準優勝。来年1月の全豪オープンは確実にした上で、さらなる上乗せを狙っているのが現状だ。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号