海外テニス

世界6位ルードが最終戦優勝のシナーを称賛!ジョコビッチと比較し「ヤニックの方が息つく暇を与えない」<SMASH>

中村光佑

2024.11.19

年間成績上位8名が出場できるシーズン最終戦の準決勝でシナー(左)に完敗したルード(右)は、「彼のプレーの全てに感銘を受けたよ」と褒め称えた。(C)Getty Images

 先日行なわれた男子テニスのシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月10日~17日/イタリア・トリノ/室内ハードコート/FIN)に出場した世界ランク6位のキャスパー・ルード(ノルウェー/大会時7位/25歳)が、自身が準決勝で敗れた同1位のヤニック・シナー(イタリア/23歳)を大いに称賛した。

 シーズンを通して好成績を収めた上位8名が出場できる最終戦、今季2勝を挙げているルードはジョン・ニューカム・グループとして参戦。グループリーグを2勝1敗で突破したものの、現地16日に行なわれた準決勝では3勝0敗で予選を勝ち上がったイリ・ナスターゼ・グループのシナーに1-6、2-6で完敗し、2年ぶりの決勝進出を逃した。

 試合後の会見でルードはわずか3ゲームしか取れなかった悔しさを押し殺しつつ、勝者のシナーをこう褒め称えた。「彼はコート上で本当に速いし、とてつもなく多くのショットに食らいついてくる。僕が彼を左右に揺さぶっても非常にうまくディフェンスをし、スライディングも入れていた印象だ。彼のプレーの全てに本当に感銘を受けたよ」

 周知の通りシナーはルードが指摘したディフェンス時のスライディングや抜群のストローク力から、度々絶対王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)と比較されてきた。今回を含めこれまでにシナーと3度、ジョコビッチと6度対戦しているルードは「プレースタイルはみんなそれぞれ違うから彼らを比較することはできないし、比べること自体も好きではない」と前置きしながらも、2人と打ち合った時の"感覚の違い"を次のように語る。
 
「テレビではおそらく同じように見えるだろうが、ヤニックはノバクよりも速いボールを打つ。彼の方が相手に息つく暇を与えないんだ。一方でノバクとなら少なくともラリーはできる。もちろんノバクは史上最強だから対戦することが簡単だとは言わないけど、ノバクの場合は、ライン際やクロスコートに爆弾のようなショットを打ち込んでくることを恐れずに済むからね」

 またシナーには最終戦開幕前の練習でも全く太刀打ちできなかったとコメント。そして最後には改めて「選手はプレッシャーがない練習の場ではいつもより良いプレーをすることがあるが、今日の彼は最初から最後まで本当に素晴らしいプレーをしていた」と2歳年下の王者の強さを手放しに称賛した。

 なおルードを倒したシナーは現地17日に実施された決勝でテイラー・フリッツ(アメリカ/大会時5位/現4位)を6-4、6-4で下して大会初優勝並びに今季8勝目をゲット。同時にジョン・マッケンロー(アメリカ/元1位)とイワン・レンドル(チェコ/元1位)に次いで史上3人目の快挙となる"失セット数0でのファイナルズ優勝"を成し遂げた。

文●中村光佑

【動画】ルードVSシナー他「Nitto ATPファイナルズ」準決勝ハイライト

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