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「私の人生で最悪の出来事」女子テニス世界2位のシフィオンテクが禁止薬物誤飲で1カ月の出場停止処分<SMASH>

中村光佑

2024.11.29

8月の検査で禁止薬物が検出されて1カ月の出場停止処分となっていたシフィオンテクが自身の潔白と苦しい胸の内を明かした。(C)Getty Images

 テニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」は11月28日に公式声明を発表し、今年8月に行なわれたドーピング検査で女子テニス世界ランク2位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)から禁止薬物が検出されたため、約1カ月の出場停止処分を科したと報告した。

 同声明によると、シフィオンテクは8月12日に行なわれたドーピング検査で2つの検体を提出したところ、片方のサンプルから禁止薬物に指定されているトリメタジジン(血管を広げて血流を良くする物質)を検出。これによりシフィオンテクに9月12日から10月4日までの暫定的な出場停止処分が科され、ソウル、北京、武漢のアジアシリーズ3大会の欠場を余儀なくされた。

 シフィオンテク側は各種規定に基づく形で9月22日に不服申し立てを決行。ITIAによる調査の結果、上記の陽性反応はシフィオンテクが時差ぼけ解消を目的として服用していた薬にトリメタジジンが混入したことが原因であったと判明し、選手本人に重大な過失がなかったことも認められたため、出場停止処分は1カ月で済んだとのことだ。

 ちなみに11月27日に一連のペナルティを受け入れたシフィオンテクの出場停止処分はまだ8日分残っており、処分は12月4日に全面解除される予定。なお検査直後に出場しベスト4入りした「シンシナティ・オープン」(アメリカ/WTA1000)での獲得賞金は全て没収されることが決まっている。

 このほどシフィオンテクは自身の公式インスタグラム(@iga.swiatek)で事の詳細を説明した約6分の動画を投稿するとともに、以下のコメントを綴っている。
 
「ついにお伝えできる時がきました。これは私の人生で最悪の経験となった出来事です。この2カ月半、私はITIAの厳しい調査の対象となっていましたが、その中で私の潔白が証明されました。私のキャリアで唯一のドーピング陽性反応であり、それも私がこれまで聞いたこともない禁止物質が信じられないほど低いレベルで検出されたことで、これまで私が懸命に築いてきた全てを疑問視させる結果となってしまいました。私自身もチームも、計り知れないストレスと不安に直面しなければなりませんでした。

 しかし、今では全てが綿密に解明され、何の疑いもなく、再び私が最も愛するテニスをプレーすることができます。私はこれまで以上に強くなれると信じています。そして今は、この試練が終わったことにただただほっとしています。私は何も間違ったことをしていないとわかってはいても、皆さんに対して正直でありたいと思っています。ファンの皆さんや世間の方々への敬意を込めて、この人生で最も長く、そして困難な"闘い"の詳細を全てお伝えしたいと思います。私の最大の願いは、皆さんがこれからも私のそばにいてくれることです」

 ヤニック・シナー(イタリア/男子1位)のドーピング騒動を想起させる今回の一件。シフィオンテクも結果的にはほぼ無罪判定であり、すでにテニス界でも裁定への反発の声は高まっている。当分の間は混乱が続きそうだ。

文●中村光佑

【動画&画像】ドーピング騒動に関する詳細を説明するシフィオンテク

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【動画&画像】シフィオンテクが公開したドーピング騒動に関する説明