レッスン

【1日3分間のメンタル強化法 第23回】三業の教えから“美しい所作”を学び、気持ち良くプレーしよう<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.12.07

何気ない動作や言葉で相手に喜ばれたり、逆に不快感を与えたりします。美しい所作を身に付けて人間力を高めましょう(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

 テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

* * *

 私が定期的にメンタルの指導に行く場所の1つに、三重県Ⅰ高校野球部があります。選手たちには必ず目標設定用紙「ブレインマップ」を書いてもらいます。その中に"人間力を高める"という項目があり、具体的な行動目標に「所作」と書いた選手が多くいました。そこで、指導されているO監督に訊ねてみました。監督が説明してくれた「所作」について一部を紹介します。

 広義としては、その場に応じた立ち居振る舞いや言葉遣い、心配りのこと。仏教語で「身業・口業・意業」の3つの行為として表されています。部活動で考えられる具体的な所作としては、挨拶の仕方、練習に取り組む姿勢、走り方や歩き方、顔つきや目つきなどが挙げられます。

 グラウンド内では、キビキビした動作、元気な声、声の色合い、共鳴動作など。そしてプレーの所作としては、勇気あるプレー(ダイビングキャッチ)や仲間を思いやるプレーなど。これらから、チームの全体像が見えてきます。
 
 3つの教え(三業)を私なりにまとめると、このようになります。

①身業(身体の所作)~姿勢や身のこなし、服装の着こなしなどに注意する。
②口業(言葉の所作)~暴言を避け、温かくて正しい言葉遣いを心掛ける。
③意業(心の所作)~目には見えないが「思いやり・寛容・知恵」を大切にする。

 これらの所作は誰もが知っていることばかりです。しかし私自身、年齢を重ねるにつれて所作を身に付ける大切さを痛感しています。自分にとっては何気ない動作や言葉でも、相手には好感や不快感を与えたりします。

 人は、好感の持てる人や信用できる人の話しか聞かないとも言われています。「所作を身に付ける」ことに注意を払ってみてください。テニスの愛好家の皆さんも日々の活動の中に取り入れることで、気持ち良くプレーできることにつながると思います。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年3月号から抜粋・再編集

【画像】あの名シーンも!史上屈指のライバル、フェデラー&ナダルの"若かりし頃"ギャラリー

【関連記事】1日3分間のメンタル強化法 第22回、人には「旬」がある! 年代それぞれの生き方のテーマを知ろう<SMASH>

【関連記事】1日3分間のメンタル強化法 第21回、スポーツの世界にいるのなら、てっぺん思考で"出過ぎた杭"になれ!<SMASH>