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海外テニス

錦織圭が6年ぶりのツアー決勝進出!「試合への情熱は今でも高い。ベストを尽くしたい」とタイトル獲得に意欲<SMASH>

中村光佑

2025.01.05

相手の棄権という思わぬ形で香港オープン決勝に駒を進めた錦織圭。6年ぶりのツアータイトル獲得に挑む。(C)Getty Images

相手の棄権という思わぬ形で香港オープン決勝に駒を進めた錦織圭。6年ぶりのツアータイトル獲得に挑む。(C)Getty Images

 2025年の男子テニスツアー開幕戦「中国銀行・香港テニス・オープン」(2024年12月30日~25年1月5日/中国・香港/ハードコート/ATP250)は現地4日にシングルス準決勝が行なわれ、元世界ランク4位の錦織圭(現106位)と地元勢のシャン・ジュンチャン(中国/同50位)が対戦。シャンが第1セット途中で棄権し、錦織が約6年ぶりとなるツアー決勝進出を決めた。

 香港オープン初出場となった今大会には本戦ワイルドカード(主催者推薦)で参戦している35歳の錦織。初戦で元世界10位のデニス・シャポバロフ(カナダ/現56位)を試合時間わずか58分で破ると、2回戦では第3シードで元8位のカレン・ハチャノフ(ロシア/現19位)に、準々決勝では同じく元8位のキャメロン・ノーリー(イギリス/現49位)にいずれもフルセットで勝利。3人の元トップ10選手を破り、約3年5カ月ぶりのツアー4強入りを果たしていた。

 迎えた準決勝の相手は中国期待の19歳シャン。両者はこれまでにツアーで2度顔を合わせており、対戦成績は1勝1敗と互角。ただし直近である2024年9月の「成都オープン」(ハード/ATP250)1回戦では錦織がシャンに4-6、4-6で敗れている。

 3度目の対決となった今回は、錦織がシャンの鋭いストロークに押されながらも粘り強いディフェンスで対抗。さらには強化してきたサービスでフリーポイントを重ねて要所を締め、相手に流れを渡さない。しかしリターンゲームではブレークポイントまで至らず、第1セットは互いに一歩も譲らないままゲームが進んでいく。
 
 だが待っていたのは予想外の結末だった。錦織が第7ゲームをラブゲームでキープして4-3としたところでシャンが体調不良を訴え、途中棄権を表明。シャンは観客へ向けて「昨夜から熱があり、今日は本当につらい1日だった。僕が今ここに立てているのは奇跡だ」とリタイアの理由を説明し、「申し訳なく思っている。来年また戻ってきます」と謝罪の言葉を口にした。

 一方思わぬ形で、優勝した19年1月の「ブリスベン国際」(ハード/ATP250)以来となるツアー決勝へ駒を進めた錦織はオンコートインタビューでシャンの体調を気遣いつつ、次のようにコメントした。

「今年の最初の大会で決勝に進めるとは思っていなかったけど、調子は良い。彼の体調が良くなかったのは残念だけど、それでもかなり良いプレーをしていた。何と言えばいいのかわからないが、全豪オープンまでに彼が回復することを願っている」

 そして最後には現在の心境と6年越しのツアータイトル獲得が懸かる次戦への意気込みをこう語った。「(テニスへの)情熱はまだある。特に試合をすることへのモチベーションと情熱は今でも高い。ここ2年ほどはケガであまり多くの試合をプレーできなかったから、ツアーに戻ってこられてうれしいし、また明日決勝でプレーできるのは僕にとっては良い贈り物。だからベストを尽くしたい」

 日本時間5日17時30分以降に行なわれる決勝では世界67位のアレクサンドル・ミュラー(フランス)と対戦する錦織。ここまで来たらぜひとも優勝で新シーズン初戦を締めくくってほしい。

文●中村光佑

【動画】香港オープン準決勝ハイライト。錦織対シャンの試合は6分30秒頃から!

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