近年のテニス界は男女差別撤廃への取り組みが進んでおり、WTA(女子テニス協会)創設者である元世界女王のビリー・ジーン・キング氏(アメリカ/81歳)を中心に広がりを見せてきた。2007年からは全ての四大大会において男女の賞金総額が同額となったが、今もなお男女間で賞金額の隔たりが大きいツアー大会は一部存在する。そうした状況に不快感を示す人は多く、「賞金額の平等」を唱える声は年々強まっている印象だ。
しかし昨秋現役を引退した男子テニス元世界ランク1位のラファエル・ナダル氏(スペイン/38歳)は執拗に「賞金額の平等」を求める風潮に違和感を覚えている様子だ。先日スペインのテレビ局『La Sexta』のインタビューに応じた同氏は賞金額ではなく、どちらかといえば大会でプレーするための機会や、充実した競技環境を整えるための投資が男女間で平等であるべきだと持論を展開する。
「私は男女間で平等であるべきだと思うのは、選手がプレーするための機会や投資だと思う。(むしろ)賞金が同額でないことについては不公平ではないと考えている。やはり不公平なのは機会が平等ではないことだ。私は人々が賞金や利益が男女平等であるべきだと言っていることが気になる」
その上でナダル氏は、賞金額については各選手が生み出す利益や人気度、男女別の観客数などを反映すべきだと主張。四大大会のシングルスで23度もの優勝を経験するなど女子テニス界の発展に多大な貢献をした元世界1位のセレナ・ウィリアムズ(アメリカ/43歳)を例に挙げつつ、こう付け加えた。
「私からすると、平等というのは贈り物を与えることではない。もしセレナが私より多く稼げるなら、僕はそれを望む。そういう意味で私は平等を望んでいる。例えば女子選手が男子選手よりも多くの物を生み出し、その上で稼げるのなら、それでいいと思う」
以前には女子元8位のダリア・カサキナ(ロシア/現12位)が賞金平等論に対して「男性と女性のスポーツを比較することは全く意味がない」と一刀両断していたが、ナダル氏の主張も一部それと重なるところがある。ジェンダーレスの風潮が強い中で、カサキナやナダル氏と同じ考えを持つ選手がどれほどいるのか気になるものだ。
文●中村光佑
【画像】ナダルはじめ、パリオリンピックで躍動した男子選手の厳選ショット!
【関連記事】引退したナダルが今だから明かす「フェデラー」と「ジョコビッチ」に対する明確な戦術の使い分け<SMASH>
【関連記事】大金舞うラケットオークションの世界。フェデラー使用モデルが約1,800万円で落札! 歴代最高額はナダル!!<SMASH>
しかし昨秋現役を引退した男子テニス元世界ランク1位のラファエル・ナダル氏(スペイン/38歳)は執拗に「賞金額の平等」を求める風潮に違和感を覚えている様子だ。先日スペインのテレビ局『La Sexta』のインタビューに応じた同氏は賞金額ではなく、どちらかといえば大会でプレーするための機会や、充実した競技環境を整えるための投資が男女間で平等であるべきだと持論を展開する。
「私は男女間で平等であるべきだと思うのは、選手がプレーするための機会や投資だと思う。(むしろ)賞金が同額でないことについては不公平ではないと考えている。やはり不公平なのは機会が平等ではないことだ。私は人々が賞金や利益が男女平等であるべきだと言っていることが気になる」
その上でナダル氏は、賞金額については各選手が生み出す利益や人気度、男女別の観客数などを反映すべきだと主張。四大大会のシングルスで23度もの優勝を経験するなど女子テニス界の発展に多大な貢献をした元世界1位のセレナ・ウィリアムズ(アメリカ/43歳)を例に挙げつつ、こう付け加えた。
「私からすると、平等というのは贈り物を与えることではない。もしセレナが私より多く稼げるなら、僕はそれを望む。そういう意味で私は平等を望んでいる。例えば女子選手が男子選手よりも多くの物を生み出し、その上で稼げるのなら、それでいいと思う」
以前には女子元8位のダリア・カサキナ(ロシア/現12位)が賞金平等論に対して「男性と女性のスポーツを比較することは全く意味がない」と一刀両断していたが、ナダル氏の主張も一部それと重なるところがある。ジェンダーレスの風潮が強い中で、カサキナやナダル氏と同じ考えを持つ選手がどれほどいるのか気になるものだ。
文●中村光佑
【画像】ナダルはじめ、パリオリンピックで躍動した男子選手の厳選ショット!
【関連記事】引退したナダルが今だから明かす「フェデラー」と「ジョコビッチ」に対する明確な戦術の使い分け<SMASH>
【関連記事】大金舞うラケットオークションの世界。フェデラー使用モデルが約1,800万円で落札! 歴代最高額はナダル!!<SMASH>