間もなく開幕するテニス四大大会「全仏オープン」(5月25日~6月8日/フランス・パリ/クレーコート)にディフェンディングチャンピオンとして出場する世界ランキング2位のカルロス・アルカラス(スペイン/22歳)が、現地23日に開かれた記者会見に出席。その中で現在の自身の状態や同世代の世界王者ヤニック・シナー(イタリア/23歳)とのライバル関係について語った。
クレーシーズンのアルカラスは「モンテカルロ」(ATP1000)、「バルセロナ」(ATP500)、「イタリア国際」(ATP1000)の3大会に出場し、うち2大会で優勝。全仏オープンでのタイトル防衛に向けて自信を深めている様子だ。
同23日にフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン/同18位)と練習を行なったアルカラスは、会見で現在の状態を明かしつつ、次のように意欲を示した。
「いい感じだ。昨日はコートコンディションに慣れるのに苦労したけど、今日はボールを少し捉えられるようになった。特に何かを追い求めているわけじゃなくて、ただ自分のプレーが心地よく感じられればいいと思っている。大会のスタートがどうとか、初戦がどうなるかってことは考えていない」
「とにかく楽しんでプレーしたい。それは練習でも試合でも、常に僕が大切にしていることだ。何かを恐れたり、堅実さを追い求めたりするのではなく、ただ楽しいと思えることをやる。そのうえで、試合に向けて準備が整っていくと思う」
そう語るアルカラスにも、どうしても意識してしまうプレーヤーがいる。宿命のライバルとしてしのぎを削っている23歳の若き王者シナーだ。
アルカラスは5月初めにドーピング違反による約3カ月の出場停止処分が明けたシナーと先述のイタリア国際決勝で対戦し、7-6(5)、6-1で勝利。ちなみに両者の対戦成績はアルカラスから見て7勝4敗となっており、これだけを見ると「アルカラスはシナーに強い」と感じるファンも少なくないかもしれない。
しかしアルカラス本人はその見方を否定する。長年男子ツアーを牽引した“ビッグ3”(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ)のライバル関係に触れつつ、こう語った。
「何度も言ってきたけど、僕らのライバル関係は戦術的な駆け引きが多くてすごく面白い。次に戦うときは、きっと彼(シナー)も戦術を変えてくるだろうし、進化してくるはず。僕もまた、彼をもう一度倒すために進化しなきゃいけない」
「それこそが“ビッグ3”が何年もやってきたことだ。ラファ(ナダル)がノバク(ジョコビッチ)に連勝したこともあるし、その逆もあった。フェデラーも同じだ。連勝もあれば、連敗もあった。だから、(シナーに)常に勝てるとは思っていないし、その覚悟はしておかないといけない。彼と戦うたびに、精神的にも、戦術的にも、肉体的にも、最高レベルの戦いになる。何が起きても対応できるように準備しておかないといけない」
なお今回の全仏オープンに第2シードで参戦するアルカラスは1回戦で元世界4位の錦織圭(現62位)と対戦するはずだったが、錦織が開幕前に腰痛による欠場を表明。そのため残念ながらファン待望のビッグマッチは幻となった。これに伴いアルカラスは初戦で予選勝者のジュリオ・ゼッピエリ(イタリア/同306位)と顔を合わせることが決まった。
文●中村光佑
【動画】アルカラスとシナーが熱戦を繰り広げた「イタリア国際」決勝ハイライト
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クレーシーズンのアルカラスは「モンテカルロ」(ATP1000)、「バルセロナ」(ATP500)、「イタリア国際」(ATP1000)の3大会に出場し、うち2大会で優勝。全仏オープンでのタイトル防衛に向けて自信を深めている様子だ。
同23日にフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン/同18位)と練習を行なったアルカラスは、会見で現在の状態を明かしつつ、次のように意欲を示した。
「いい感じだ。昨日はコートコンディションに慣れるのに苦労したけど、今日はボールを少し捉えられるようになった。特に何かを追い求めているわけじゃなくて、ただ自分のプレーが心地よく感じられればいいと思っている。大会のスタートがどうとか、初戦がどうなるかってことは考えていない」
「とにかく楽しんでプレーしたい。それは練習でも試合でも、常に僕が大切にしていることだ。何かを恐れたり、堅実さを追い求めたりするのではなく、ただ楽しいと思えることをやる。そのうえで、試合に向けて準備が整っていくと思う」
そう語るアルカラスにも、どうしても意識してしまうプレーヤーがいる。宿命のライバルとしてしのぎを削っている23歳の若き王者シナーだ。
アルカラスは5月初めにドーピング違反による約3カ月の出場停止処分が明けたシナーと先述のイタリア国際決勝で対戦し、7-6(5)、6-1で勝利。ちなみに両者の対戦成績はアルカラスから見て7勝4敗となっており、これだけを見ると「アルカラスはシナーに強い」と感じるファンも少なくないかもしれない。
しかしアルカラス本人はその見方を否定する。長年男子ツアーを牽引した“ビッグ3”(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ)のライバル関係に触れつつ、こう語った。
「何度も言ってきたけど、僕らのライバル関係は戦術的な駆け引きが多くてすごく面白い。次に戦うときは、きっと彼(シナー)も戦術を変えてくるだろうし、進化してくるはず。僕もまた、彼をもう一度倒すために進化しなきゃいけない」
「それこそが“ビッグ3”が何年もやってきたことだ。ラファ(ナダル)がノバク(ジョコビッチ)に連勝したこともあるし、その逆もあった。フェデラーも同じだ。連勝もあれば、連敗もあった。だから、(シナーに)常に勝てるとは思っていないし、その覚悟はしておかないといけない。彼と戦うたびに、精神的にも、戦術的にも、肉体的にも、最高レベルの戦いになる。何が起きても対応できるように準備しておかないといけない」
なお今回の全仏オープンに第2シードで参戦するアルカラスは1回戦で元世界4位の錦織圭(現62位)と対戦するはずだったが、錦織が開幕前に腰痛による欠場を表明。そのため残念ながらファン待望のビッグマッチは幻となった。これに伴いアルカラスは初戦で予選勝者のジュリオ・ゼッピエリ(イタリア/同306位)と顔を合わせることが決まった。
文●中村光佑
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