エナンが見ているのは一試合での技術面や戦略面だけではなく、一週間の戦いを通じて成長していく過程。そして彼女が繰り返し使った言葉が、“Attitude(態度・姿勢)”と“ファイティングスピリッツ”だった。これらこそが、テニスにおいて重要な要素と見ているのだろうか?
その問いに、エナンが答える。
「一般的にテニスは、驚くほど一瞬で流れが変わるスポーツです。ですから常に、あらゆる状況に備えていなくてはいけない。例えば6-2で第1セットを取ったら、ホッとしてしまう。それは普通のことで、誰だってそうです。そしてセカンドセットでは0-2になってしまう。これも良く見る光景です。その時に諦めず、『まだ0-2だ。ここから取り返すぞ』となれるかどうか? 私は今大会で、そのように戦う選手たちや、そのような状況をたくさん見ました。これは人生と同じです。毎日が新しい日。次に何が起きるか、予測はできない。だから、あらゆるシナリオに備えておくことが重要なのです。
そして大切なのは、決して諦めないこと。今日、勝利した。それは良いことです。自信も付くので、それはとても重要です。でも特にジュニアの時には、もっと大切なのは、将来のビジョンを持って日々試合や練習に取り組むこと。私が試合を見る時に重要視しているのは、『未来への意志』が感じられるか。そして実際に今大会では、多くの選手からそれを感じることができました」
闘志は今この瞬間に全てを注ぎ、同時にプレーは未来を見据える――。
元世界1位が試合を見る時にも注視するのは、その点なのだろう。実際に、駒田対鈴木の試合直後に両選手の印象を尋ねた時、エナンは次のように即答した。
「ラウンドロビンの時から、コマダは非常にレベルの高い選手だと思っていました。彼女が決勝に行くと思っていたので、今日の結果も驚きではありません。コマダの方がスズキよりも、経験があるようにも感じました。今日の試合でも競ってお互いプレッシャーの掛かる場面が幾つかありましたが、それらにうまく対処できていたのがコマダだったと思います。
でもスズキのプレー、そしてアティテュードもとても良かった。色んなことをトライし、何かをしようという意思が感じられました」
なお鈴木は試合後に、自らエナンに助言を求めに行ったという。
「テニスIQの高い試合をしていた。見ていて面白かった。色んなことをやろうとしているのはわかったし、先が明るいテニスをしている」
それがエナンから掛けられた言葉なのだと、溶けそうなほどに破顔しながら、鈴木が言う。
「めっちゃモチベーション上がりました! クレーコートは、自分の弱点も課題も、色んなことが浮き彫りになるコート。もっとクレーで試合がしたい」
その経験と決意もまた、鈴木が今大会から持ち帰る掛け替えのない財産。なおエナンが看破した通り、13歳の頃から欧州遠征をくり返してきた駒田に対し、鈴木は赤土でのプレーは今回が4度目。両者の間には経験面で大きな差があった。
一方の駒田は、憧れの人を目の前にして、まだ自ら助言を求めに行けてはいないという。
「優勝したら、聞きに行きます!」
それが駒田にとってのモチベーションでもあるようだ。
来年の全仏オープンジュニア本戦の切符をかけた決勝戦は、男女とも19日に行なわれる。
女子は駒田対若菜蘭。男子は渡邉栞太対阿部素晴。いずれも日本人対決のカードとなった。
なお大会の模様は、WOWOWオンデマンドおよびスターテニスアカデミー(スタテニ)で放送予定。赤土の上で繰り広げられる若き選手たちの熱戦を、ぜひ見届けてほしい。
取材・文●内田暁
【連続写真】エナン、クリステルスetc…伝説の王者たちの希少な分解写真/Vol.2
【関連記事】時を超えた珠玉のラリー再び!杉山愛×エナン、黄金世代の名勝負が東京のジュニア大会で復活<SMASH>
【関連記事】全仏オープンジュニア本戦出場権を目指す熱い戦い!頂点に立ったのは日本の上方璃咲と川西飛生<SMASH>
その問いに、エナンが答える。
「一般的にテニスは、驚くほど一瞬で流れが変わるスポーツです。ですから常に、あらゆる状況に備えていなくてはいけない。例えば6-2で第1セットを取ったら、ホッとしてしまう。それは普通のことで、誰だってそうです。そしてセカンドセットでは0-2になってしまう。これも良く見る光景です。その時に諦めず、『まだ0-2だ。ここから取り返すぞ』となれるかどうか? 私は今大会で、そのように戦う選手たちや、そのような状況をたくさん見ました。これは人生と同じです。毎日が新しい日。次に何が起きるか、予測はできない。だから、あらゆるシナリオに備えておくことが重要なのです。
そして大切なのは、決して諦めないこと。今日、勝利した。それは良いことです。自信も付くので、それはとても重要です。でも特にジュニアの時には、もっと大切なのは、将来のビジョンを持って日々試合や練習に取り組むこと。私が試合を見る時に重要視しているのは、『未来への意志』が感じられるか。そして実際に今大会では、多くの選手からそれを感じることができました」
闘志は今この瞬間に全てを注ぎ、同時にプレーは未来を見据える――。
元世界1位が試合を見る時にも注視するのは、その点なのだろう。実際に、駒田対鈴木の試合直後に両選手の印象を尋ねた時、エナンは次のように即答した。
「ラウンドロビンの時から、コマダは非常にレベルの高い選手だと思っていました。彼女が決勝に行くと思っていたので、今日の結果も驚きではありません。コマダの方がスズキよりも、経験があるようにも感じました。今日の試合でも競ってお互いプレッシャーの掛かる場面が幾つかありましたが、それらにうまく対処できていたのがコマダだったと思います。
でもスズキのプレー、そしてアティテュードもとても良かった。色んなことをトライし、何かをしようという意思が感じられました」
なお鈴木は試合後に、自らエナンに助言を求めに行ったという。
「テニスIQの高い試合をしていた。見ていて面白かった。色んなことをやろうとしているのはわかったし、先が明るいテニスをしている」
それがエナンから掛けられた言葉なのだと、溶けそうなほどに破顔しながら、鈴木が言う。
「めっちゃモチベーション上がりました! クレーコートは、自分の弱点も課題も、色んなことが浮き彫りになるコート。もっとクレーで試合がしたい」
その経験と決意もまた、鈴木が今大会から持ち帰る掛け替えのない財産。なおエナンが看破した通り、13歳の頃から欧州遠征をくり返してきた駒田に対し、鈴木は赤土でのプレーは今回が4度目。両者の間には経験面で大きな差があった。
一方の駒田は、憧れの人を目の前にして、まだ自ら助言を求めに行けてはいないという。
「優勝したら、聞きに行きます!」
それが駒田にとってのモチベーションでもあるようだ。
来年の全仏オープンジュニア本戦の切符をかけた決勝戦は、男女とも19日に行なわれる。
女子は駒田対若菜蘭。男子は渡邉栞太対阿部素晴。いずれも日本人対決のカードとなった。
なお大会の模様は、WOWOWオンデマンドおよびスターテニスアカデミー(スタテニ)で放送予定。赤土の上で繰り広げられる若き選手たちの熱戦を、ぜひ見届けてほしい。
取材・文●内田暁
【連続写真】エナン、クリステルスetc…伝説の王者たちの希少な分解写真/Vol.2
【関連記事】時を超えた珠玉のラリー再び!杉山愛×エナン、黄金世代の名勝負が東京のジュニア大会で復活<SMASH>
【関連記事】全仏オープンジュニア本戦出場権を目指す熱い戦い!頂点に立ったのは日本の上方璃咲と川西飛生<SMASH>




