選手選考、そして来日そのものに深い懸念を抱いたのは、エクアドルも同様である。いや、そもそもメンバーほぼ全員がアメリカにいたなか、より大きなリスクを負ったのは彼らだろう。

　その点に関しては、キャプテン、そしてエースのエミリオ・ゴメスも、迷ったことを隠さない。それでもゴメスは「マドリードに行くという、特上の目標を達成するチャンス。リスクはあるが、チームとしての決断を下した」と、メンバー全員の想いを代弁した。

　ランキング上では日本の優勢ではあるが、数字では測れないことが起きるのがデビスカップ。無観客という、ホーム／アウェイの成分が薄れる状況下で、チームの団結力と“勝ちたい意志”が正面からぶつかる決戦の火蓋が、明日切られる。

【対戦カード】

■３月６日（金）12時00分～
第１試合＝添田豪（S117位）対　Ｅ・ゴメス（S151位）
第２試合＝内山靖崇（S90位）対　Ｒ・キロス（S276位）

■３月７日（土）11時00分～
第３試合＝マクラクラン勉（D58位）／内山靖崇（D431位）対　Ｇ・エスコバル（D69位）／Ｄ・ヒダルゴ（D257位）
第４試合＝内山靖崇　対　Ｅ・ゴメス
第５試合＝添田豪　対　Ｒ・キロス
  【選手のコメント】
◆錦織「ヒジの痛みはないので、もう少しだと思います。（復帰時期は）明後日に出る可能性もあるので何とも言えないが、まだ目途は立ってません。なるべく早く帰ってこられれば良いなという感じですが、インディアンウェルズはとりあえずやめました。マイアミになるかもしれないしクレーシーズンになるかしれないし、まだ何とも言えない状況です」

◆添田「無観客ということですが……無観客みたいな試合を僕は何回もしてきたので、特に違和感はない。お客さんがいないことで、チームや選手の声援がより聞こえると思うので、一丸となれるチャンスでもある。一人ひとりが応援しないといけない状況なので、みんなで頑張っていきたいです」

◆内山「（単複戦うことについて）３セットマッチなので、そこまで身体に負担はないと思います。ただデビスカップは、いつも以上にエネルギーが出るので疲労することは考えられる。その時はペース配分を考えるのではなく、１ポイントずつ全力を出し、体力が尽きたら頼もしい若手がいるので、頼みたいくらいの気持ちで」

◆綿貫「僕からしたら、頼もしい先輩がいるのでそこまで準備しなくても大丈夫かもしれませんが、何があっても良いようにしっかり準備し、監督に出ろと言われたら、日本に１勝をもたらすのがデ杯かと思うので……出たら勝ちます！」

◆マクラクラン「こんな大変な時でも、デ杯の試合があるのはけっこうラッキーなこと。お客さんがいなくてもチームの前で試合して、チーム戦が好きなので頑張ります」

文●内田暁

【PHOTO】世界で戦う熱き日本人プレーヤーたち！