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海外テニス

18歳の望月慎太郎が、初のグランドスラム予選で得たもの。ジュニアとの違いは「選手のプレーの質が落ちない」こと<SMASH>

内田暁

2021.06.25

2年前にはジュニア部門で栄冠を掲げた望月。初のウインブルドン予選を経験したことは、今後の大きな糧になるだろう。(C)Getty Images

2年前にはジュニア部門で栄冠を掲げた望月。初のウインブルドン予選を経験したことは、今後の大きな糧になるだろう。(C)Getty Images

 コロナ禍の中断が明けツアーに参戦し始めた頃、望月がジュニアと一般で最も差を感じたのは、「フィジカル」だったという。

「大人の世界に飛び込んで最初はわからないことばかりだったし、パワーで負けたりもあった」

 だからこそ望月は、自身もフィジカル強化に励んだ。ただそれは、単にパワーをつけるのではない。

「ウェイトを上げるとかではなく、動きの向上。スピードの面が大事になるので、スピードを保ちながら力をつけていく」

 その成果が、終盤の勝負強さを支えた。

 それら持ち味を存分に発揮した1回戦だが、分析力と適応力を発揮する前に押し切られたのが、0-6、1-6で敗れた2回戦だ。相手のタロン・フリークスポール(オランダ)は、常時強烈なサービスを叩き込み、リターンゲームでも、重量感あるショットで畳みかけるように攻めてくる。試合後の望月は、「力負けです」と完敗を受け入れた。
 
 グランドスラムの予選は、ランキング的にはトップ200、能力的や経験値的にも、グランドスラムで十分に戦える猛者ばかりが集う。その舞台が、ジュニアやフューチャーズと最も違うのは「選手のプレーの質が落ちない」ことだと望月は言った。

「パワーのある選手ばかりだけれど、自分はスピードなどでこれまでも戦ってきた。これからは相手のレベルが上がってくるので、今のテニスを進化させていきたい」

 自身の特性と足跡を俯瞰する言葉には、芯の強さと矜持がにじむ。

 強い相手との対戦経験を糧として、かつてのジュニア・チャンピオンは、「追いつき追い越す」ことを自身に誓った。

取材・文●内田暁

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