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海外テニス

世界4位シナーが全豪OPで四大大会初優勝!メドベージェフに2セットダウンから大逆転勝利「本当にハッピースラムだと思う」<SMASH>

中村光佑

2024.01.29

メドベージェフ(左)との3時間44分の熱戦を制したシナー(右)。死力を尽くした2人は試合後に健闘を称え合った。(C)Getty Images

メドベージェフ(左)との3時間44分の熱戦を制したシナー(右)。死力を尽くした2人は試合後に健闘を称え合った。(C)Getty Images

 それでも22歳のニューヒーローは諦めなかった。第3セットは終盤まで互いにキープが続く緊迫の展開となる中、徐々にシナーは本来のプレーを取り戻していく。

 ストローク戦でのエラーも減り、反対に安定したプレーを続けていたメドベージェフがミスを犯す場面が増加。膠着状態のまま迎えた第10ゲームではシナーが力強いプレーでメドベージェフを押し、ブレークおよびセットポイントを取り切って逆転勝利に望みをつないだ。

 第4セットも第3セットと似たような流れに。だがここではメドベージェフに疲労の色が見え始め、余力を残していたシナーが攻勢に出る。

 序盤はなかなか機能しなかったバックハンドのダウン・ザ・ラインやフォアハンドのカウンターも出始め、ポイントを先行されても我慢強いプレーでサービスキープを継続。すると第10ゲームではロングラリーをことごとく制してセットポイントを握り、最後は攻撃的なリターンを起点にポイントを奪って2セットオールとする。
 
 こうなるとシナーの勢いは止まらない。勝負のファイナルセットでは消耗の激しいメドベージェフに対して、容赦ない攻めのテニスを貫いたシナーが主導権を掌握。相手を左右に振り回し、強打からのネットプレーも織り交ぜて先にブレークに成功する。

 特に表情を変えず淡々とプレーを続けたシナーは、プレッシャーのかかる最終第9ゲームでも順調にポイントを獲得。チャンピオンシップポイントではシナーらしい強烈なフォアハンドのウイナーを決め、3時間44分の熱戦の末に華麗な大逆転勝利を収めた。

 ちなみにイタリア人男子選手の四大大会優勝は、1976年の全仏オープンを制したアドリアーノ・パナッタ氏(元4位/現73歳)以来約48年ぶり。全豪優勝は男女を通じて初めての快挙だ。試合後の表彰式でシナーは以下のように感謝の言葉を口にした。

「全豪は素晴らしい大会。本当にハッピースラム(全豪の愛称)だと思う。みんなに感謝している。僕はチームと共に毎日毎日努力していて、もっと強くなろうとしている。どんな状況にも対応できるように成長しようとしている。そんな僕を理解して日々支えてくれているみんなに感謝したい」

 驚異の巻き返しで大きなマイルストーンを築き上げたシナー。今後のさらなる成長を期待せずにはいられない。

文●中村光佑

 【動画】「全豪オープン」決勝!シナー対メドベージェフのハイライト

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