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海外テニス

様々なアクシデント乗り越えたアルカラスが「BNPパリバ・オープン」連覇達成!<SMASH>

内田暁

2024.03.20

試合後にコーチのフェレーロ氏(右)と元へ向かったアルカラス(左)。ハグを交わし喜びを分かち合った。(C)Getty Images

試合後にコーチのフェレーロ氏(右)と元へ向かったアルカラス(左)。ハグを交わし喜びを分かち合った。(C)Getty Images

 優勝後の会見室に跳ねるように現れたアルカラスは、今大会を迎えるまでの心境を、篤実な語り口で明かす。

「シーズン終盤の出来は良くなかったが、それはさほど問題ではなかった。僕はテニスが楽しめていたから。でもここ数カ月、僕は自分を見失い、コート上で楽しむことができなかった。それが、つらかった。僕の家族やチームスタッフ、近い人たちは『どうしちゃったんだ? 前みたいに笑ってないよ』と言ってたんだ」

 今年に入ってからのそんな日々を、今は笑顔で振り返る。その彼に笑顔をもたらしたのは、相性の良いインディアンウェルズのコートであり、ホアン・カルロス・フェレーロ氏を筆頭とするスタッフであり、彼のプレーを心から楽しむファンたちだったろう。
 
 かくして、ハプニングも乗り越えて優勝したその先で、またも珍事に見舞われる。優勝会見の質疑応答の最中、突如けたたましい音量で、「緊急事態です! 近くの出口から避難してください」のアナウンスが繰り返し流れたのだ。

 ほどなく、ブザーの誤発動と確認されたが、アナウンスがおさまる気配はない。前日には「蜂があり、雨があって、明日は何が起きても不思議じゃないよ」と記者たちを笑わせたアルカラスだが、これはさすがに、想定外だったろう。

「これって僕ら、やばい状況なのかな?」

 アラームが鳴り響く中、チャンピオンはそう言いまた笑う。

 彼の顔に笑みが広がっている限り、テニス界には光が射し、やばいほどにワクワクするプレーが、次々に飛び出すはずだ。

現地取材・文●内田暁

【動画】アルカラス対メドベージェフの「BNPパリバ・オープン」決勝ハイライト

【連続写真】タメを作ってダウンザラインに叩いたアルカラスのフォアハンド「30コマの超連続写真」

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