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国内テニス

本玉真唯にとっての「テニス人生で一番大きい決断」――新たな環境とコーチの下で世界トップ50に挑む<SMASH>

内田暁

2024.04.27

環境を一新して世界に挑戦する本玉は「みんなを信じ、自分も信じてやり続けるしかない」と決意を語る。写真:安藤証券オープン/JET田中

環境を一新して世界に挑戦する本玉は「みんなを信じ、自分も信じてやり続けるしかない」と決意を語る。写真:安藤証券オープン/JET田中

「そんなこと聞いたら、やらなきゃいけないってなりますよ。その時に覚悟が決まったというのが、本当に自分の中でターニングポイントでした。その時に、(原田)夏希さんにお願いできたというのは、私にとっては多分テニス人生で一番大きい決断だった。夏希さんも、ヨネさんたちと同じようなことを言ってるけれど、違う言い方でアプローチしてくれた。私はもう、トライしなきゃいけないって心に決めていたので、そういうのがうまく一致して、今があると思います」

 原田に師事し始めてから、約7カ月。今の本玉は、「私の武器」と自負する脚力を生かし、左右のみならず前後に動いて、ボレーやスイングボレーでとどめを刺す。縦横にコートを駆け、宙を舞うように跳び上がりボールを打つ姿は、躍動感に溢れている。

 さらに昨年末以降、大きくメスを入れたのが、サービスだ。それまでの本玉は、身体が正面を向くのが早く、「ボールを押す」ようなサービスになっていた。それを、身体の回転を生かして打てるように、段階的に変えていったという。

「昨年末のオフシーズンに、まず足を軸足に引き寄せるフォームに変えました。その後の2月、日比野(菜緒)さんに負けた試合で、すごくダブルフォールトが多かったので、『これじゃダメだね』ということでグリップを変えました。握りをかなり薄くしたので、最初はうまくいかなくて…。まずはスピン系からトライしよういうことで、3月から4月のアメリカシーズンはそこに取り組み、段階を踏んで今はフラットも打てるようになってきました」
 
 その効果は確実に、今回の安藤証券オープンでも発揮されている。2回戦の小池愛菜戦では、ファーストサービスが入れば89%の高確率でポイントを獲得。セカンドサービスでも62%のポイント獲得率を記録し、相手に許したブレークポイントはゼロ。「サーブに助けられる場面も多かった」と、6-1、6-4の快勝を振り返った。

 勝ち星やランキングも「気にならないと言ったら嘘になる」が、今の本玉はそれ以上に、自分の成長を感じている。そして、出会ってきた人たちの縁や想いに導かれ、今の自分があることも。

「本当に、皆さんに感謝しかないです。送り出してくれた米さんたちや、今こうやって指導してくれる夏希さんにも。全てを私に教えてくれていることに、すごく感謝しています。だから自分は、みんなを信じ、なおかつ自分も信じて、やり続けるしかないなって」

 その決意と覚悟の先に、「今季の目標」であるツアー優勝と、トップ50がある。

取材・文●内田暁

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