パリ五輪の金メダルペアは、シングルスでもトップ10ランカーのパオリーニのストローク力と機動力に目が行きがち。だが、それを操る心臓部はエラーニだと加藤は明言する。
果たして試合で加藤たちは、序盤から、エラーニ狙いの策を徹底した。
今季は「カタール・オープン」(WTA1000)でも優勝しているイタリアペアは、エラーニのリターンの時はパオリーニも下がり、機を見てスイッチするという極端な戦術をやり続ける。そこで「2人が後ろの時には、ほとんどエラーニに打つ」ことを徹底した。
「エラーニも、緊張した場面では結構ラケットを振れなくなる傾向があると思ったので、まずはそこを突きたいなと。パオリーニも、構えながら足を動かし続けているので、彼女にストレスも同時に与えられる。さらにエラーニが前に来たら、ショートアングルやロブを使って陣形を崩すのが鍵だと思っていました」
その策は、目に見えて奏功する。第1セット、イタリアペアがブレークアップし迎えた第8ゲームあたりから、エラーニのミスが明らかに増えた。マイアミ・オープン名物でもある、会場上空を横切るゴンドラリフトから聞こえる声にも苛立ち、両手を広げ上空を仰ぐエラーニ。
そうして第1セットをタイブレークの末に取った時、加藤たちの自信は確固たるものになっただろう。第2セットは最初のリターンゲームを加藤/ブクサがブレーク。
もちろんエラーニも、自分が狙われていることは重々承知の上で、なんとか流れを変えるべくルーティーンに変化をつける。それが第5ゲームのデュースの場面で、普段はパオリーニが行くところをエラーニが志願してリターンに行ったことだ。
もっともサーバーの加藤にしてみれば、「パオリーニが下がっているので、多少3球目が甘くなってもポーチされない。気持ち的に楽だった」という。このゲームをキープした時点で、試合の行方は決した。最後もエラーニのミスで、7-6(4)、6-2の快勝だった。
「なんとなく勝ったのではなく、しっかりプレーできて勝てた。こういうプレーして勝てるとうれしいし自信になる。相手が金メダリストなので、なおさらですね」
特に大喜びするふうもなく、淡々と加藤が言う。手応えを確信に変えつつ、現地25日に実施される準々決勝では第7シードの強豪、エリーズ・メルテンス/ジャン・シューアイ(ベルギー/中国)に挑む。
現地取材・文●内田暁
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果たして試合で加藤たちは、序盤から、エラーニ狙いの策を徹底した。
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「エラーニも、緊張した場面では結構ラケットを振れなくなる傾向があると思ったので、まずはそこを突きたいなと。パオリーニも、構えながら足を動かし続けているので、彼女にストレスも同時に与えられる。さらにエラーニが前に来たら、ショートアングルやロブを使って陣形を崩すのが鍵だと思っていました」
その策は、目に見えて奏功する。第1セット、イタリアペアがブレークアップし迎えた第8ゲームあたりから、エラーニのミスが明らかに増えた。マイアミ・オープン名物でもある、会場上空を横切るゴンドラリフトから聞こえる声にも苛立ち、両手を広げ上空を仰ぐエラーニ。
そうして第1セットをタイブレークの末に取った時、加藤たちの自信は確固たるものになっただろう。第2セットは最初のリターンゲームを加藤/ブクサがブレーク。
もちろんエラーニも、自分が狙われていることは重々承知の上で、なんとか流れを変えるべくルーティーンに変化をつける。それが第5ゲームのデュースの場面で、普段はパオリーニが行くところをエラーニが志願してリターンに行ったことだ。
もっともサーバーの加藤にしてみれば、「パオリーニが下がっているので、多少3球目が甘くなってもポーチされない。気持ち的に楽だった」という。このゲームをキープした時点で、試合の行方は決した。最後もエラーニのミスで、7-6(4)、6-2の快勝だった。
「なんとなく勝ったのではなく、しっかりプレーできて勝てた。こういうプレーして勝てるとうれしいし自信になる。相手が金メダリストなので、なおさらですね」
特に大喜びするふうもなく、淡々と加藤が言う。手応えを確信に変えつつ、現地25日に実施される準々決勝では第7シードの強豪、エリーズ・メルテンス/ジャン・シューアイ(ベルギー/中国)に挑む。
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