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海外テニス

「僕には忍耐力がない。だからこそ学ばなくては」今年、驚異的な勝ち星を挙げるルブレフが、故障からのカムバックについて語る

スマッシュ編集部

2020.02.14

どこか『王子様』的な風貌から、日本でのファンも多いルブレフ。昨シーズンまではケガに苦しんでいた。(C)GettyImages

どこか『王子様』的な風貌から、日本でのファンも多いルブレフ。昨シーズンまではケガに苦しんでいた。(C)GettyImages

 現在キャリアハイの世界15位にランクしている22歳のアンドレイ・ルブレフ。今シーズン開幕から11連勝、2週連続でツアータイトルを獲得するなど、今最も“ノッている”ロシアの若武者だ。

 現在ロッテルダムの「ABN AMROワールドテニス」に出場中の彼が、ATPの公式サイトで、長らく苦しんだケガからの復帰について振り返った。

 2017年、弱冠19歳だったルブレフは、7月にラッキールーザーで出場したウマグのATP250大会でツアー初優勝。同年のUSオープンではグリゴール・ディミトロフ、ダビド・ゴファンなどを下して準々決勝に進出(※当時No.1のラファエル・ナダルに敗退)するなど急激に頭角を現し、シーズン初頭に150位台だったランキングを35位にまでジャンプアップさせた。

 若手世代の筆頭として活躍が期待されていたが、2018年中盤以降は突如として成績が下落し、一時はランキングを115位にまで落としてしまう。原因となったのは、腰と手首の故障だった。とにかくボールをしばき倒し、早い展開で相手を追い込んでいく、ハードヒッターのルブレフ。その強烈なプレースタイルが災いしたのだろう。

 昨年の6月、ケガによる休養から復帰した彼は、ウインブルドンの前哨戦であるハレの予選1回戦で、ランキングが150位近く離れた格下の選手に敗退。「その時はひどい内容だったけど、プレーできていること自体が楽しかったんだ。たとえ悪いプレーでも、とにかくプレーしたかった」少し落ち込みつつも、復帰を喜んだ。
 
 その後のウインブルドンで1回戦を突破。「(ハレでの)あの瞬間があったからこそ、だんだんと良くなっていることに気が付くことができた」というルブレフは、翌月のハンブルクで準優勝、8月のシンシナティでは、3回戦でロジャー・フェデラーを破ってみせた。

「僕には忍耐力がない。だからこそ、それを学ばなくては」と語るルブレフ。「この種のこと(ケガからの復帰)には、多くの忍耐が必要だ。たとえ受け入れられないようなことでも、全部最初からやり直して、最善を尽くす」

 ケガを克服し、ツアーでの輝きを取り戻した彼の現在の課題は“メンタル”だという。昨シーズンは、試合中に感情を爆発させることが多かった。だが、「普段は滅多に怒らないんだ。でもコートに出て、戦わないといけないときには、怒りやネガティブな面を見せてしまう」と言う。

「コート上でも普段の生活のようにいたい。みんなベストを尽くすためには、冷静で、ポジティブでいる必要があることはわかっている。でもそうするためには結局、強く、賢くないといけないんだ」

 ルブレフは、ロッテルダムの1回戦でニコロズ・バシラシビリとのハードヒッター対決を制し、2回戦でもカザフスタンの曲者アレクサンダー・バブリクをストレートで下した。これで今季の戦績は13勝1敗。今シーズンの彼の活躍により一層注目したい。

構成●スマッシュ編集部

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